2010 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病発症前診断のためのマルチパラメトリックMRIの開発
Project/Area Number |
22591340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
吉浦 敬 九州大学, 大学病院, 講師 (40322747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋渡 昭雄 九州大学, 医学研究院, 助教 (30444855)
山下 孝二 九州大学, 大学病院, 助教 (80546565)
大八木 保政 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30301336)
門司 晃 九州大学, 大学病院, 講師 (00294942)
有村 秀孝 九州大学, 医学研究院, 准教授 (20287353)
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Keywords | アルツハイマー病 / 軽度認知障害 / 脳 / MRI |
Research Abstract |
1)我々の過去の研究から、MR灌流画像の1つであるArterial spin labeling (ASL)法によりAlzheimer病(AD)患者と健常者を判別できることが明らかとなっている。また、他研究者の研究から、Voxel-based morphometryと呼ばれるMR脳形態画像の自動解析に基づいて、AD患者の診断を行うことができることが知られている。そこで、両者を組み合わせることで、診断能を向上することができるか否かを研究した。23名のAD患者と23名の健常被験者を対象として検討した。その結果、両者を組み合わせることで、それぞれの方法単独のときに比べ、診断能が向上することが分かった。 2)ADによる認知機能低下と局所脳形態の変化(萎縮)が相関する脳内部位をVoxel-based morphometryを用いて検討した。特に、MMSEとRaven色彩マトリックスという2つの心理検査の結果との相関を検討した。その結果、MMSEと有意に相関するのは、両側頭頂葉皮質であったが、Raven色彩マトリックスでは、左前頭葉や左側頭葉を中心とする両側大脳半球と右小脳半球の萎縮と有意に相関がみられた。 3)高分解能拡散テンソル画像を用いて、海馬体内の各区域の構造を定量的に評価することが可能か否かを検討した。Small FOVと呼ばれる技術を利用し、1xlx3mmの空間分解能の高分解能拡散テンソル画像を、12分弱の撮影時間で得ることができた。海馬体内のFimbriaと呼ばれる白質束は、皮質領域に比べ有意に高い拡散異方性で、画像的に特徴づけられることが分かった。高分解能拡散テンソル画像により、海馬体の微小構造が評価できることが示唆され、ADによる病的な変化の早期検出への応用が示された。
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Research Products
(13 results)