2011 Fiscal Year Annual Research Report
画像に基づく非侵襲的大腿骨近位部のジオメトリーと骨力学特性の研究
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22591344
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊東 昌子 長崎大学, 大学病院, 准教授 (10193517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上谷 雅孝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40176582)
西田 暁史 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30584073)
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Keywords | 大腿骨 / 骨ジオメトリー / computed tomography (CT) / 骨強度 / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
大腿骨頚部骨密度およびジオメトリーの人種による差異について、日本人(64名、64.5±0.3歳)とオーストリア人(オ人)(67名、64.5±0.4歳)のQCTデータを比較し検討した。体重(日本人52.8±0.9kg vsオ人67.5±1.8kg)と身長(152.2±0.6cm vs 161.6±0.7cm)は日本人が有意に小さかった。頸部長(104.1±0.8mm vs 110.8±2.0mm)は日本人が有意に小さく、頚体角(139.7±0.8度vs 136.4±0.7度)は大きかった。大腿骨頚部の体積骨密度は、全骨、皮質骨、海綿骨に有意差はみられなかった。断面2次モーメント(CSMI,970±41gcm vs1108±48gcm)と断面係数(SM,0.42±0.013cm^3vs 0.56±0.017cm^3)は日本人が有意に小さく、坐屈比(BR,8.07±0.33vs6.74±0.18)は有意に大きかった。日本人とオ人の三次元骨密度に有意差はなく、骨ジオメトリーに基づいて算出した強度指標(CSMI、SM、BR)からみると、日本人の大腿骨頚部はオ人に比べて脆弱であることが示唆され、日本人の大腿骨頚部骨折発生頻度が低いことを説明するのは困難と考えられた。頚部骨折リスクには骨の形態特性に基づく力学的強度の他に、転倒時に大腿骨頚部にかかる外力、上肢や体幹の防御動作、軟部組織による外力減衰などさまざまな要素が関与しており、これらを総合的に評価する必要があることが、示された。 昨年度研究テーマのひとつであったED-71の大腿骨への効果について、アルファカルシドールの効果と比較検討して、その結果を論文として発表した。今年度は、テリパラチド投与によるヒト大腿骨への作用についてプラセボ対照に比較検討を行ったが、骨形成作用を有するテリパラチドは、骨吸収抑制作用を有するED-71と異なる作用を示すことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画にほぼ沿った進行状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、今年度の成果を論文としてまとめ、骨折リスクとその低減について総括的なまとめを行う。
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Research Products
(24 results)