2011 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷部位に集積する蛋白質を用いたストロンチウム治療後放射線組織障害の検討
Project/Area Number |
22591355
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
道合 万里子 金沢医科大学, 医学部, 助教 (40515673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 直人 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40210926)
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Keywords | ストロンチウム / DNA損傷 / 放射線組織障害 / γ-H2AX |
Research Abstract |
造骨性骨転移患者の除痛目的で認可・導入されている放射線ストロンチウム内部照射療法の副作用としてリンパ球の一過性減少は問題視されているが、リンパ球自体に直接どの程度の放射性組織障害性があるか解明されていない。よってDNA損傷部位に集積する蛋白質を用いた、放射性ストロンチウム治療後放射線組織障害の検討を行い、直接的なリンパ球への照射量の推定を得られると考え、また方法が確立されれば、本治療による放射性組織障害性の短期的な副作用評価の簡便法として臨床的にも普及することも考えられる。実験方法として放射性ストロンチウム治療において生体内でのリンパ球自体に直接どの程度の放射性組織障害性があるかを解明するため、最初に正常リンパ球を外部照射して、DNA損傷と外部照射の相関関係を確認し、基本的な被曝線量とDNA損傷の関係を評価した。基礎的検討として前年度から引き続き正常者に対しての血液を採取し(総計7名)In vitroで段階的にX線外部照射し、血液中のリンパ球層を分離しリンパ球を得る。特殊スライドグラス上に固定したリンパ球に、γ-H2AXとその抗体で細胞の免疫染色を行い、DNA損傷部位が核内の点として染色されていることを確認、蛍光顕微鏡にてDNA損傷の個数を測定した。DNA損傷数と照射量とは正の相関関係があり、標準線を得ることができた。この結果に基づき今年度は臨床的検討としストロンチウム投与患者に対し、研究の同意を得た4名に対し治療前と治療後採血を行い、基礎的検討と同等の方法で検討した。結果、治療後の検出時期としては1日後の採血で核内のドット検出を認め、治療前と比し増加を認めている。今後症例数を重ね、被爆線量の検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎的検討として段階的外照射にて正の相関を認め、標準線を得ることができ臨床的検討へと進んだ。 ストロンチウム治療前、治療後採血を行い、治療後のドット検出時期として1日目に検出可能であることがわかった。症例数としては現段階では少ないが実験方法としては確立できたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
ストロンチウム投与治療前と治療後1日後採血によるDNA損傷としてドット数をカウントする。 10例以上の症例検討を目標とし、基礎的検討で得た標準線をもとに被爆線量の検討を行う予定である。
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Research Products
(2 results)