2011 Fiscal Year Annual Research Report
標識アネキシンVを用いた放射線誘導アポトーシスとFDG腫瘍糖代謝能の基礎的検討
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22591357
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
河 相吉 関西医科大学, 医学部, 准教授 (30152896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上埜 泰寛 関西医科大学, 医学部, 助教 (10425069)
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Keywords | アネキシンV / アポトーシス / タリウム201 / 放射線誘発 |
Research Abstract |
99mTc-HYNIC-coupled Annexin V(以下、Tc-99mアネキシンV)の放射線誘発アポトーシスを特異的に評価する検査法としての有用性について検討した. 対象と方法:使用した細胞は非小細胞性肺癌細胞H1299のwtp53 gene(H1299/wtp53)である.放射線として0Gy,3Gy,6Gy,9Gy,12Gy,5段階のガンマ線を照射し,24,48時間後の細胞内集積をウェルカンターにて測定した.対比評価法として腫瘍集積性放射性薬品として臨休利用されている201TlCl(以下、タリウム201)の細胞集積も同様に測定した.実験細胞における反応早期の細胞内動態を評価する目的で90分間の細胞取り込みと洗い出しを測定した.アポトーシス細胞の評価にはTUNEL法を用いた.放射線照射の細胞分裂機能への影響を評価する目的で細胞増殖率も同時に評価した. 腫瘍モデルとして同じ細胞系をマウス左大腿部に移植し,in vivoにおけるタリウム201とTc-99mアネキシンVの体内分布を測定した. 結果:照射線量の増加と対応した細胞増殖率の低下が照射48時間後に認められた.TUNEL法で評価したアポトーシス陽性細胞数は9Gy, 12Gy照射群で増加を認めた.タリウムの集積は高線量(9Gy,12Gy)照射群において低線量照射群よりも強く認められた.タリウムの急速な流出が9Gy,12Gy照射細胞群で認められた.9Gy, 12Gy照射48時間後に,Tc-99mアネキシンVの集積はコントロール,3-6Gy照射群よりも強く認められた.in vivoマウスの腫瘍移植部でTc-99mアネキシンVの増加が高線量9Gy照射側で反対側の照射なしコントロール部位よりも強く認められた. 結論:Tc-99mアネキシンVはヒト肺癌に対する放射線治療のアポトーシス発現による治療効果の早期判定に有効な放射性薬品であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の実施に特に問題はなく、計画通りに遂行できた。放射線照射線量に対応するアネキシンVの集積度変化とこれを支持する免疫組織所見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍の放射線による治療効果を発現する検査法としてFDG-PETの有用性とアネキシンVとの相違点、共通点について検討する。
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