2010 Fiscal Year Annual Research Report
有限要素解析法を用いた骨強度評価システムの臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
22591358
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
曽根 照喜 川崎医科大学, 医学部, 教授 (90179383)
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Keywords | 骨粗鬆症 / X線CT / 有限要素解析 / 骨強度 |
Research Abstract |
[目的]健常および骨粗鬆症の成人男女を対象にして、定量的CTによる有限要素法(CT/FEM)を実施し、基準値作成のためのデータを取得するとともに、その有用性の評価を行った。 [方法]CT/FEMによる腰椎および大腿骨近位部の骨強度(CT-強度)の測定について、測定の再現性、体格指標や運動歴との関係、加齢変化を検討した。さらに、二重エネルギーX線吸収法(DXA)による腰椎および大腿骨近位部の測定を実施し、CT-強度と骨密度やHip Structure Analysis(HSA)による大腿骨近位部の骨構造指標(HSA指標)との比較を行った。 [結果]CT/FEMによる骨強度測定はCVが2-3%以下の良好な再現性を示したが、若年成人ではやや再現性が低下する傾向がみられた。CT-強度は骨密度より体格指標との間に強い相関を示し、特に立位条件の大腿骨近位部強度と体重の間に高い相関を認めた。大腿骨と腰椎の何れも、CT-強度は運動歴との間にも正相関の傾向を示した。また、CT-強度は腰椎と大腿骨近位部ともに加齢とともに減少し、特に女性の閉経後で強い傾向を示した。CT-強度とHSA指標との関係は若年者と高齢の骨粗鬆症患者とでは異なる傾向を示した。 [考察]CT/FEMによる骨強度測定は、骨の変形が強い症例や若年者の高骨密度例を除くと比較的良好な再現性を示し、診断や経過観察での利用が可能と思われた。また、体格指標、運動歴、加齢変化などを反映することが確認でき、HSA指標とも一定の関連を示すことが明らかとなった。今後は、骨折リスクとの関係について検討を進めていく予定である。
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Research Products
(1 results)