2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591361
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
渡邉 直行 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 教授 (90311381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 敬吾 群馬大学, 医学系研究科, 教授 (10115800)
吉住 正和 群馬県環境衛生研究所, 研究企画係, 独立研究員 (70391810)
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Keywords | RI内用療法 / がん分子標的治療 / RIアンチセンス療法 / 最小侵襲治療法 / 化学療法 |
Research Abstract |
生命のセントラルドグマである遺伝子情報の流れに係るメッセンジャーRNA (mRNA)を分子標的とする、オージェ電子を放出するラジオアイソトープ(RI)である放射性インジウム-111 (In-111)を標識した合成核酸鎖(アンチセンス)はヒト神経芽細胞腫において増幅したmRNAに放射線による損傷を与え、そのmRNAから翻訳される蛋白発現量を減少させることができる。その結果、RIアンチセンスでヒト神経芽細胞腫細胞と実験動物であるヌードマウスに移植したヒト神経芽細胞腫を用いたインビトロ、インビボレベルの基礎研究でそのがん細胞の増殖が抑制できることが示されている。今年度は、このRIアンチセンス療法にDNAレベルで作用機序を示す抗がん剤を用いる化学療法を併用するRIアンチセンス化学療法が単独療法にくらべてがん細胞増殖について相加的・相乗的な制御効果の可能性を検討するためにヒト神経芽細胞腫細胞とヌードマウスに移植したヒト神経芽細胞腫を用いてインビトロ、インビボレベルの基礎研究が実施された。がん細胞や腫瘍の増殖率の変化のデータをみるとRIアンチセンス単独療法にくらべてRIアンチセンスに抗がん剤を併用するRIアンチセンス化学療法はヒト神経芽細胞腫の増殖に対して更なる制御の可能性が示された。今後、得られたデータの統計的解析を進め、またがん細胞で亢進しているグルコース代謝の変化の視点から治療効果の判定を試みられる。
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