2011 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた細胞密度画像によるがん化学療法の早期治療効果判定
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22591363
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
松島 秀 愛知県がんセンター(研究所), 遺伝子医療研究部, 研究員 (70444297)
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Keywords | 癌 / 早期治療効果判定 / 分子画像 / 細胞密度画像 / 機能画像 / 磁気共鳴 / 磁化移動効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は,臨床用MRIを用いた細胞密度を可視化する分子画像によるがん化学療法の早期治療効果判定である。本年度は3テスラMRIにおいて,作年度構築した細胞密度を可視化する分子画像システムを臨床応用することを主目的とした。 【具体的内容】分子画像システムとして,肝細胞特異性造影剤(Gd-EOB-DTPA)の造影効果を定量評価し得るcontrast enhance ratio in hepatocellular(CERH)imagingを用いた。CERH値は肝機能を示す血液・生化学データと相関し,肝機能画像として有用であることを明らかにした。また,CERH値は肝障害の程度により異なった値を示し,肝炎や肝硬変では正常肝よりも有意に低値を示した。さらに,切除標本との相関性を検討した結果,CERH値は肝細胞密度と相関することが明らかになった。 【意義】CERH imagingは肝機能画像として有用であるとともに,肝細胞密度の低下を検出し,脂肪変性や線維化を形態的な組織変化が起こる前段階で検出することが出来る可能性がある。すなわち,本研究はがん化学療法の早期治療効果判定および肝機能低下の早期判定としても有用である。 【重要性】本研究は,組織レベルの評価から細胞レベルの評価へ,さらには分子レベルの評価を実現する臨床画像として発展することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CERH imagingは肝機能画像として有用であるとともに,肝細胞密度の低下を検出し,脂肪変性や線維化を形態的な組織変化が起こる前段階で検出することが出来る可能性があることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
CERH imagingと磁化移動効果を応用した交差緩和率イメージング(Equivalent cross-relaxation rate image(ECRI))の両手法を用いることにより,肝腫瘍の早期治療効果判定を実施する。CERH imagingは主に化学療法による背景肝の障害に関する情報を反映し,ECRIは腫瘍の細胞密度に関する情報が得られると推察している。
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Research Products
(3 results)