| Research Abstract |
本研究は,脳内アミロイド蛋白集積のBF-227 PETアミロイドイメージグによる精確な評価方法を確立することを目標としている.アミロイドPET画像の半定量法としては,SUVR(standardized uptake value ratio)値が用いられることが多い.これは,小脳など特異的結合の少ない参照領域の値で,ターゲットする領域の値を除する方法である.BF-227やPiBなどアミロイドイメージング製剤は,白質に非特異的な高集積を示す.そのため,小脳半球と言えども,白質からの信号の混入を避けることが出来ず,精確な集積評価の障害になっていた.本年度は,客観的かつ再現性のある方法で,小脳における参照領域値を得る方法を考案し,BF-227PETアミロイドイメージングの臨床データを使って,その有効性を評価した.同方法では,標準脳座標系上で設定された共通の関心領域と,個別の脳でPET値の分布(ヒストグラムおよび分布範囲)から決定した二つの閾値(白質/灰白質カットオフ値,脳/脳脊髄液カットオフ値)を組み合わせることにより,白質成分の混入のない小脳半球の灰白質における参照領域値を得た.同方法は再現性が高く,この参照領域値から得たSUVR値は,健常群とアルツハイマー病群における集積度の分布をより明瞭に分離することができた.また,異なる施設のBF-227PET画像でも,同様の有用性が確認された.同方法は,BF-227だけでなくPiBでも有効であることが予想され,特に集積度が低いより早期段階でのアミロイドPET画像の評価に有用であると考えられた.
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