2011 Fiscal Year Annual Research Report
マンモグラフィ装置品質管理用の高精度可搬式解放窓型電離箱検出器の開発
Project/Area Number |
22591373
|
Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
佐藤 斉 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (90285057)
|
Keywords | 電離箱 / マンモグラフィ / 低エネルギーX線 / 線量 / 品質保証 |
Research Abstract |
マンモグラフィの正確な線量計測値に基づく精度管理を行うため、マンモグラフィで使用される低エネルギー(20keV程度)領域X線においても応答特性が変化しない可搬式の開放窓型電離箱検出器を開発した。エネルギーによるイオン収集効率の変化を小さくするために、これまでの円形としていた収集電極の形状を矩形とし、さらに電極配置を検討して検出器を作成した。作成した検出器は外部からの静電誘導の影響はほとんど受けないことを確認した。 さらに検出器の印加電圧を決定するために、検出器内部の電界強度分布をシミュレーション計算して、最適印加電圧を決定した。決定した印加電圧により暗電流を測定し、安定した計測値が得られることを確認した。さらに、X線を用いて応答特性を調べた。線量直線性、エネルギー依存性は良好で、イオン再結合損失は管電圧100kV、空気カーマ率4mGy/sにおいて0.2%以下だった。また、測定するX線の実効エネルギーが15~65keVの範囲で、感度変化は2%以下であり、優れた基本性能を有していることが確認できた。本検出器を用いることによりマンモグラフィにおける線量評価をより精密に行うことができるようになる。 また、医療施設に設置されているマンモグラフィ装置を用いて測定する際に、測定配置の再現性や測定の簡便性の問題を解決するために製作した測定配置台を用いて測定し、安定して測定を実施することができることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
やや遅れている。震災の影響で、放射線施設の運用が停止していた期間があり十分にデータを取得できなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
開発した検出器の基本的な応答特性に関する実験を実施する。測定精度を向上させるため、必要に応じて検出器を改良する。
|
Research Products
(3 results)