2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロバブルジェネレータカテーテルを用いた高密度炭酸ガスマイクロバブル血管造影
Project/Area Number |
22591375
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
狩谷 秀治 関西医科大学, 医学部, 講師 (40368220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷川 昇 関西医科大学, 医学部, 准教授 (90227215)
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Keywords | 炭酸ガス / 血管造影 / 放射線診断学 / インターベンション / マイクロバブル / カテーテル |
Research Abstract |
【具体的内容】22年度に制作した微小多孔膜を連結したジェネレータカテーテルのシャフト部分を改良し、シングルルーメンで炭酸ガスと生理食塩水を効率的に注入できるようにした。これにより、臨床機のインジェクターを使用してカテーテル先端でマイクロバブルを発主することに成功した。ファントム実験でマイクロバブルの発生を確認し、生理食塩水とマイクロバブルの注入条件を検討した。孔径が30μmのものと50μmの2種類の膜を用いてテストした。いずれの多孔膜でもマイクロバブルの生成は可能であった。また、豚を用いた動物実験では、これまで生理食塩水と炭酸ガスのミキシングで生成していたマイクロバブルに加え、採取した自家血と炭酸ガスのミキシングによるマイクロバブルの生成を行い,血管内に投与した。この方法を用いて炭酸ガスマイクロバブルを造影剤として使用した時の臓器への影響について検索した。予測通りマイクロバブルによる臓嬰窯栓効果が生じた。腎動脈の炭酸ガスマイクロバブル造影を塞栓効果が生じるまで行い、時間とともに塞栓が解除される過程を経時的に追いかけて撮影した。屠殺後の腎の虚血状態を検証した。臓器の虚血は認められたが、軽度のものであり.注入量によりコントロール可能である。【意義】膜を用いたジェネレータカテーテルは細径に製作可能であるため現在臨床で使胴されているカテーテルサイズにできる。したがって選択的血管造影が可能となる。炭酸ガスマイクロバブルによる虚血効果は低く造影剤として使用できる一方、コントロール可能な塞栓、あるいは不完全な塞栓による可逆的な虚血状態も作り出せる。【重要性】経動脈的に炭酸ガスマイクロバプルを注入できるため標的となる領域のみにマイクロバブ片を大量発生させることが可能となる。脈管造影だけでなく、化学塞栓術、収束超音波との組み合わせ、遺伝子の細胞内導入への応用にも期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究の目的は、ジェネレータを血管内に留置できる炭酸ガスマイクロバブルジェネレータカテーテルを使用する、生理食塩水の注入量を各血管の血流に応じた必要最小限にする、炭酸ガス注入圧でバブル径を制御しボイド率を高めるとした。今年度の研究で多孔膜を用いた実験では、シングルルーメン、インジェクター使用の条件で高密度炭酸ガスの生成条件を明らかにできた。したがって研究の目的をおおむね達成している。また加えて動物実験でも炭酸ガスマイクロバブル血管撮影に成功し、有害事象や生理的反応の変化をとらえた。この部分は計画以上の成果を得たといえる。総合的に「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策:炭酸ガスマイクロバブルの血管造影効果、塞栓効果、圧潰時のエネルギー放出を臨床で利用できるよう研究を進める。本研究で血管内に大量の炭酸ガスマイクロバブルを注入することが可能となり、上記の塞栓材、圧潰時のエネルギー利用の研究も進むものと考えている。これらの研究を遂行する上での問題点は、炭酸ガスと液体をミキシングする部分を安価なデバイスにしなければならないこと、デバイスを細径化すること、注入速度の精密なコントロールができることである。この対応策は、企業と連携してデバイスを制作することである。
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Research Products
(1 results)