2012 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌に対する低用量ドセタキセルとHDAC阻害薬併用化学放射線療法の基礎的検討
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22591380
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
二宮 致 金沢大学, 大学病院, 准教授 (60345618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 隆 金沢大学, 医学系, 准教授 (50262580)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食道癌 / 化学放射線療法 / バルプロ酸 / DNA二重鎖切断 / ドセタキセル |
Research Abstract |
本研究は、食道癌に対する放射線感受性を増強する薬剤としてHDAC阻害薬である Valproic acid (VPA)に着目し、食道癌に対する低用量ドセタキセルとVPA併用による放射線の増強効果につき in vitroに検討し、食道癌に対する新しい化学放射線療法の可能性につき基礎的に検討することを目的とする。 平成22年度の研究により VPA のヒストン脱アセチル化阻害作用と放射線感受性増強効果を確認した。また VPA はヒストンをアセチル化しクロマチンを弛緩させ放射線感受性を増強するとともに DNA二重鎖切断修復酵素のうち相同末端結合に関与するRad51の発現を阻害することにより食道癌細胞の放射線感受性を増強することが確認された。 平成23年度は、食道扁平上皮癌培養細胞株 (KES)を用い低用量ドセタキセルの放射線感受性増強効果を確認した。ドセタキセルは低濃度では G1期、高濃度では G2M期で細胞周期を停止させ放射線感受性を増強した。 平成24年度は、食道癌細胞株の放射線照射に伴うDNAの二重鎖切断に伴って誘導されるγH2AXのリン酸化の変化が VPAによりどのように変化するか経時的に検討した。その結果種々の食道癌細胞株において放射線照射後γH2AX発現はVPAにより増強されるが、放射線照射数時間後まで増強効果は遷延することが明らかとなった。 これまでの研究によりVPA は DNA二本鎖切断修復のうち相同組換えに不可欠なタンパク質であるRad51の発現を低下させることがわかっていたが、一方非相同末端結合に関与するKu70,Ku80,DNA-PKcsの発現性に変化は認められなかった.そこで免疫沈降法を用いて非相同末端結合に関与する修復酵素の主要タンパクである Ku70のアセチル化につき検討を行ったところ、VPAは Ku70をアセチル化することにより機能阻害することが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)