2010 Fiscal Year Annual Research Report
がんの放射線治療によるヒト正常組織の線維化抑制の研究
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22591383
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
本行 忠志 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (90271569)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕夫 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20237275)
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| Keywords | 放射線治療 / 放射線障害 / 線維化 / SCIDマウス / 移植 / 抗線維化剤 |
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| Research Abstract |
がん放射線治療の晩発性障害として、照射部位やその周辺の組織に線維化が進行して、QOLの低下やがん化、寿命の短縮等が知られており、その線維化の制御は極めて意義の高いものとなる。そこで、ヒト組織のがんと非がん部組織をSCIDマウスに移植し放射線を照射することにより、移植片組織の形態学的、分子生物学的変化を観察して、線維化、かん化の機序を解明するとともに、現在臨床で利用できる抗線維化剤を投与することにより、がん放射線治療の際の正常組織の障害(線維化)を抑制し、最終的にがんの発生を抑制することを目的とする。
実験(1) 手術で切除された肺組織のがん組織と非がん組織の部分をSCIDマウスの皮下に移植した。生着が確認されたので、移植組織片(他の部位は遮蔽)に放射線照射を行った。
実験(2) 線維化の抑制が期待きれる化学物質の数を絞り込むために、マウスを用いて実験した。
1: 放射線に感受性の高いB6マウスに肺、肝、腎にのみに(他の部位は遮蔽)、分割または一括照射を行い、その前あるいは後に線維化抑制が期待される化学物質を投与した。
2: B6マウスに全身一括照射を行い、その前後に化学物質を投与して、経時的に胸腺、脾臓、肺、肝、腎血液の白血球の変化を観察した。実験(2)-1においては、化学物質によって体重の差や毛の変化(白髪や脱毛)の差が見られている。また、実験(2)-2においても、化学物質によって体重の差や白血球(特にリンパ球)の数に差が見られている。今後、照射組織にたいして、組織学的、分子生物学的解析を行って、線維化抑制物質をさらに絞り込み、それらの至適投与条件を求めていく予定である。
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