2011 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌に対する術前導入化学放射線療法の分子生物学的効果に関する研究
Project/Area Number |
22591386
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
生島 仁史 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90202861)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前澤 博 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00138653)
近藤 和也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10263815)
|
Keywords | 非小細胞肺癌 / 術前導入療法 / 化学放射線療法 / 機能画像診断 |
Research Abstract |
非小細胞肺癌に対する術前導入化学放射線療法を施行し、その後根治的手術を施行した11例を対象として、術前導入化学放射線療法前後に施行した造影CT画像、MRI拡散強調像、PET/CT画像のデータと術後病理組織および放射線治療計画データを収集した。収集した画像データのなかでCT画像をもとに計側した腫瘍サイズ、18F-fluoro-deoxyglucose (FDG) PET画像により計測したstandardized uptake value (SUV)、MRI拡散強調像で計測したApparent diffusion coefficient (ADC)値の化学放射線療法前後の変化を解析し、摘出標本の病理組織学的診断により評価した治療効果と比較した。化学放射線療法による腫瘍縮小率は14.3~70.4%(中央値44.5%)、SUV減少率は17.0~53.6%(中央値32.3%)であった。病理組織学的検索では、Hematoxylin-Eosin (HE)染色での評価にて6/11例で著効(Ef.3)、5/11例で中等度の効果(Ef.2)を示し、全例で切除断端陰性であった。HE染色でviable cell遺残が認められた組織に免疫染色を追加した結果は、DNA2重鎖切断細胞陽性率は50%以上、増殖細胞陽性率は15%未満であった。3次元放射線治療計画装置から得られた線量データを評価した結果は、全ての腫瘍で38~42.8Gy(中央値40Gy)の放射線量が照射されていた。画像データと病理組織学的所見の比較では、腫瘍縮小率とSUVを用いたFDG uptakeの減少率が病理組織学的診断に基づいた治療効果と良く相関していることがわかった。しかし、PETでは放射線治療直後に病巣に侵潤した炎症細胞が、拡散強調像では凝固壊死が擬陽性の原因となることが判明した。現在までの研究結果は、CT・MRI・PET/CTから得られる画像情報を総合的に判断することで、化学放射線療法の治療効果を正確に評価できる可能性を示唆している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年間5例の新規症例の追加集積を見込んでいたが、本年度は4例のみが臨床試験へエントリーし、手術を施行できた症例は2例のみとなったため、収集できた新たなデータは2例分のみとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度も継続して臨床試験への症例エントリーを行うことでデータ集積を継続する。また、症例のエントリーおよびデータ収集に平行して解析上を行うことで研究を推進する。
|
Research Products
(1 results)