2012 Fiscal Year Annual Research Report
非小細胞肺癌に対する術前導入化学放射線療法の分子生物学的効果に関する研究
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22591386
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
生島 仁史 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90202861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前澤 博 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00138653)
近藤 和也 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10263815)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 非小細胞肺癌 / 術前導入療法 / 化学放射線療法 / 機能画像 |
Research Abstract |
1.「術前導入化学放射線療法の治療効果」にてついて 摘出標本の病理学的判定では、complete remissionが11例中5例に認められた。形態学的に腫瘍細胞の遺残が認められた5例の標本に対して免疫染色を施行した結果 、Ki-67陽性率は全例15%以下, γH2AX陽性率は全例50~80%であった。総線量40Gyという比較的低線量の化学放射線療法でも、半数以上に完全寛会が得られており、手術が不要であったことが明らかになった。45% (5/11例)の症例では形態学的に腫瘍遺残が認められたが、その50~80%の細胞にはDNAの2重鎖切断が生じており、術前導入化学放射線療法は局所制御に関して有効な治療法であることが示された。 2.「術前導入化学放射線療法の治療効果に関する画像診断能」について 造影CTから算出した腫瘍縮小率と病理学的治療効果の関連では、腫瘍縮小率の高い症例で病理学的治療効果も高い傾向が認められたものの有意な相関は認められなかった。一方拡散強調像での高信号の完全消失とSUV値の高度な減少が良好な治療効果を反映していることが明らかになった。しかし、拡散強調像では完全壊死に陥った腫瘍部分も高信号になることがあり、偽陽性例が存在することがわかった。またPET/CTでも壊死に陥った周囲に、マクロファージを主体とした炎症細胞浸潤が生じ、偽陽性となる症例が認められた。以上のことから、MRI拡散強調像、18FDG/PETは共に、単一のモダリティとしては偽陽性を示す危険性を含んでいるものの、CTを含めた複数のモダリティによる統合的画像診断方法を確立することにより、術前導入化学放射線療法の治療効果を正確に判断できると考えられる。これは、不要な手術を避け根治的化学放射線療法へ治療方針を変更するテーラーメイド治療を可能とし、局所進行非小細胞肺癌の治療成績向上につながるものである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)