2012 Fiscal Year Annual Research Report
急性期の障害肝細胞における肝細胞死・再生の指標となる血漿メチオニン値に関する研究
Project/Area Number |
22591397
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 和重 東北大学, 大学病院, 助教 (40375043)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 急性肝不全 / 劇症型 / アミノグラム / 肝再生 / メチオニン / アルギニン |
Research Abstract |
劇症型急性肝不全に進行した肝臓において残存肝細胞の再生指標として血漿メチオニン値が有用となることを動物実験モデルで検証した。8週齡の雄性ラット(Winster)を実験に使用した。ガラクトサミン(Gal; 1.6g/kg)およびリポポリサッカライド(LPS: 10mg/kg)を腹腔内に投与し肝不全モデルを作成した。Galを投与後、低血糖を予防するために20%Gluoseを4mL皮下注射し観察を行なった。24時間以内に50%のラットが死亡、36時間以内には70%のラットが死亡した。病理組織像はZone1を中心とした肝細胞の壊死が確認された。血漿メチオニン値は24時間以内に肝不全による死亡したラットでは1021±112μmol/l、36時間以内に死亡した症例では441±132μmol/lであった。36時間以降生存したラットを72時間後に剖検した。生存症例では病理学的には肝細胞の再生所見をみとめ血漿メチオニン値は72±33μmol/lであった。次に、血漿メチオニン値が肝不全死を予測し得る指標になるか検討するために、Gal投与量を減らし以下の実験をおこなった。Galを0.8mg/kgおよびLPSを10mg/kg投与したラットでは生存率は100%(投与後24時間)、50%(投与後36時間)、10%(投与後48時間)であった。投与後12時間の血漿アミノ酸分析では無処置群と比較してメチオニン値とアルギニン値が有意に高値であった。さらに、末梢血血小板数、肝機能検査(T-Bil, AST, ALT)値は2群間で有意差を認めなかった。本研究結果より、非代償性肝不全に至るラットでは血漿メチオニン値あるいはアルギニン値が有意に高値を示すことが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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