2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591398
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
重松 邦広 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (20215966)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 哲郎 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (70190791)
小山 博之 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (10241994)
岡本 宏之 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60348266)
木村 秀生 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60327070)
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Keywords | 血管外科学 / 人工血管 |
Research Abstract |
現在普及している牛由来タンパク被覆人工血管の感染および炎症に関する欠点を克服するべく、絹フィプロイン被覆人工血管を開発し、その安全性と組織治癒における優越性を動物実験において証明する目的で、具体的には、現在市販されている被覆人工血管と絹フィプロインで被覆した人工血管をイヌの腹部大動脈に移植し、手術操作性、血液漏出性、炎症反応、器質化、開存性などを比較検討した。ビーグルのオス成犬(体重8-12kg)を使用し腹部大動脈置換モデルを確立し、絹フィプロインを使用した人工血管の試作品3種類、計8本の移植を行った。このうち3本の長期開存(最長で3カ月)を得て現在経過観察中である。またコントロールとして市販のポリエステル人工血管2本を移植し経過をみている。試作品についてはその都度手術操作性、血液漏出性などについて製作者である農工大の朝倉哲郎教授の研究室に情報をフィードバックし製品の改良に努めた。現在開存している人工血管は移植後6カ月をめどに摘出し、中枢、末梢吻合部および人工血管中央部の標本を作製し、被覆材の吸収、炎症反応、器質化などを検討する。また内皮細胞や平滑筋細胞の有無を免疫染色で確認する。そしてこれらの移植人工血管の分析結果をふまえ、絹フィプロイン人工血管の作製条件を確立し、開存性、耐久性、器質化、内皮細胞の定着などについてより詳細な比較実験を行う予定である。昨年の研究初年度は人工血管の作製条件を確立するための仕込み実験の位置づけとなった。 また現在、朝倉研究室では3mm径の人工血管も開発中であり、これについても予備的な動物移植実験を行い総頸動脈の置換モデルを確立した。順次3mm径についても動物移植実験を行う予定である。
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