2012 Fiscal Year Annual Research Report
毛髪内微量元素解析を用いた乳癌スクリーニング法に関する研究
Project/Area Number |
22591404
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
張 弘富 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (60378718)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅田 朋子 滋賀医科大学, 医学部, 特任講師 (10402736)
久保田 良浩 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30305601)
来見 良誠 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70205219)
阿部 元 滋賀医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80283563)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 乳癌 / 乳癌早期診断 / 毛髪分析 |
Research Abstract |
今回の研究では,毛髪中の微量元素濃度を,実験室レベルの設備でありながら毛髪の部分ごとに非破壊で測定できる全反射蛍光X線装置を用いて,毛髪中の微量元素,特にカルシウム濃度に焦点を絞って計測し,乳癌の早期診断に用いることができるかどうか検証している.悪性腫瘍はしばしばPTHrP等のサイトカイン分泌を介して全身のカルシウム代謝に影響を及ぼすことが知られており,かつ毛髪の各部位におけるカルシウム濃度は毛髪のその部位が作られた時点での全身状態を反映していると考えられることから,毛髪の各部位におけるカルシウム濃度の変化より悪性腫瘍の存在を推測できる可能性がある. 初年度の実験で毛髪中カルシウム濃度測定の妥当性を検証し,その後は提供を受けた健常者および乳癌患者からの毛髪の計測を行っていた.昨年の結果では,毛髪中カルシウム濃度の絶対値は患者と健常者で差を認めないが,発見される半年程度前から発見時までの変化率でみると,乳癌患者では健常者より変化率が有意に大きかった.今年度はさらに症例数を増やして検討してみたが,やはり同様の傾向が認められた.ただし,今回の研究結果からは具体的なカットオフポイントを決定するところまでは至らず,また乳癌の組織型や進行度とカルシウム濃度の間には有意な相関は見られなかった.あと大量の検査を行うためには,検体の採取法や運搬方法について技術開発が必要であることも判明した. この検査は現在の乳癌検診に取って代わるものではないが,毛髪は安全・簡便に採取可能であることから,毛髪測定による乳癌のスクリーニングが実用化できれば,今まで種々の事情で乳癌検診を受けていなかった女性の中から早期乳癌を発見する機会を提供できるようになることが期待される.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)