2010 Fiscal Year Annual Research Report
心停止ドナーを用いた肝移植に対する新しい治療戦略-温粗血時間の限界への挑戦
Project/Area Number |
22591405
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小倉 靖弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (20335251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 教授 (40252449)
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Keywords | 肝移植 / 温粗血時間延長 / 心停止ドナー |
Research Abstract |
本研究の背景は、(1)慢性的なドナー不足のため、心停止ドナーからの肝移植がドナー不足を解消する手段として期待されている。しかし、心停止ドナーの肝臓に加わる長期の温虚血は移植肝機能を大きく障害し、移植成績は極めて不良となる。この心停止ドナーからの肝臓移植の問題を克服する為に、長期の粗血時間に伴う虚血再灌流障害をいかに抑える事ができるかという事が不可欠な課題となっている。また、(2)近年、心停止ドナーからの移植肝に対して、冷保存時間中に肝静脈から逆行性に酸素を投与しながら保存する方法:Venous Systemic Oxygen Persufflation (VSOP)が有効であることが動物実験で確認されている。一方で、肺高血圧の治療や、心臓並びに肺移植において虚血再灌流障害の軽減を目的とした一酸化窒素ガス(NO)投与の有用性が報告されている。 当該研究ではラット心停止ドナーモデルを用いて、温粗血時間の限界の検討、そして保存液中で肝グラフトに対してVSOPを用いて酸素並びにNOを投与することが、心停止ドナーからの移植肝にいかなる影響を与えるかを検討する予定である。今回の研究はラット肝移植モデルの研究で、グラフト肝を:Venous Systemic Oxygen Persufflation (VSOP)を用いて保存し、移植成績に影響することなく温粗血時間延長出来るか研究する予定である。 平成22年度は、上記目的のためのラット肝移植モデルの確立と同実験の必要機材の準備を行い、解析に至っていない。平成23年度に各群の実験・解析を進め、研究をまとめていく予定である。
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