2012 Fiscal Year Annual Research Report
心停止ドナーを用いた肝移植に対する新しい治療戦略-温粗血時間の限界への挑戦
Project/Area Number |
22591405
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小倉 靖弘 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院准教授 (20335251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40252449)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 心停止ドナー / 肝移植 / 温粗血時間 |
Research Abstract |
本研究の背景は、心停止ドナー肝に加わる長期の温虚血による移植肝機能への障害からくる不良な移植成績の問題を克服する為に、長期の粗血時間に伴う虚血再灌流障害をいかに抑える事ができるかというテーマである。その解決方法としての、心停止ドナーからの移植肝に対して、冷保存時間中に肝静脈から逆行性に酸素を投与しながら保存する方法:Venous Systemic Oxygen Persufflation (VSOP) が有効であることが動物実験で確認されている一方で、肺高血圧の治療や、心臓並びに肺移植において虚血再灌流障害の軽減を目的とした一酸化窒素ガス(NO)投与の有用性が報告されている。 当該研究ではラット心停止ドナーモデルを用いて、温粗血時間の限界の検討、そして保存液中で肝グラフトに対してVSOP を用いて酸素並びにNO を投与することが、心停止ドナーからの移植肝にいかなる影響を与えるかを検討する予定で当初の実験計画では、温粗血時間 0,1,2,4時間に設定して各群を設定する計画であったが、現行の実験方法では温粗血時間の限界時間が予想より短く、2時間以上の群での動物生存が困難で実験系の工夫が必要であることが判明したことは、前年度までの課題であった。60分の温粗血の実験系であれば、VSOP+NOにより、肝機能血液検査、肝組織、生存率に差が出ることが確認され、この方法により心停止ドナーを用いた、温粗血時間の許容範囲を増大させる新しい肝移植の治療戦略の可能性が示唆された。 必要な追加実験を行いながら、報告の準備を行うのが、最終年度の課題であったが、結果的に60分以上の群での実験系の確立が出来ずに、60分以内でのグラフト保存効果が認められたものの、保存時間延長という当初の目的は実現できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)