2010 Fiscal Year Annual Research Report
4次元生体内顕微鏡検査法を用いた新たな肝癌微小環境観察と肝癌増殖、転移の抑制
Project/Area Number |
22591410
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
武市 卒之 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (00380999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (50193628)
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Keywords | 肝癌 / 移植 / 蛍光顕微鏡 / 微小環境 |
Research Abstract |
本研究は、マウスを用いた肝癌同所性移植モデルにおいて、新たに考案した4次元生体内顕微鏡検査法を用いて、生存状態の肝癌組織における微小環境での微小血管システムや腫瘍細胞、白血球との関係をreal timeに映像化、分析することにより、それに基づく微小循環での肝癌組織における癌の増殖、浸潤、転移の病態解明を行い、最終的にそれらを分子免疫学的治療を含めた肝癌治療につなげることを目的としている。研究初年度においては、主に以下の2点につき研究を遂行した。 1.マウス肝癌移植モデルの作成 マウス肝癌細胞株(Hepal-6)をC57BLマウスの肝臓被膜下に直接移植し、マウス肝癌モデルを作成することに成功した。ヒト肝癌細胞株を用いて同様の実験を行ったが、腫瘍ができる割合は50%に満たず、また一旦形成された腫瘍は縮小していく傾向が認められた。 2.共焦点レーザー顕微鏡による観察. 肝癌移植マウスにおいて、肝を体外に露出させ、肝癌をin vivo, real timeでの観察を行った。肝癌組織における微小環境での微小血管や腫瘍細胞、白血球との関係を観察するため、海外からLys-EGFP-ki mice(好中球、単球が蛍光反応)を輸入し、実験を継続中である。 来年度以降は、微小環境での腫瘍細胞と白血球の関連を明確にするために、転移性肝癌との関連や、免疫抑制剤、抗血管阻害剤、抗炎症剤投与下での肝癌増殖の検討を行っていく予定である。
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