2011 Fiscal Year Annual Research Report
4次元生体内顕微鏡検査法を用いた新たな肝癌微小環境観察と肝癌増殖、転移の抑制
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22591410
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
武市 卒之 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (00380999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪股 裕紀洋 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (50193628)
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Keywords | 肝癌 / 移植 / 蛍光顕微鏡 / 微小環境 |
Research Abstract |
本研究は、マウスを用いた肝癌同所性移植モデルにおいて、4次元生体内顕微鏡検査法を用いて、生存状態の肝癌組織における微小環境での微小血管システムや腫瘍細胞、白血球との関係をreal timeに映像化、分析することにより、それに基づく微小循環での肝癌組織における癌の増殖、浸潤、転移の病態解明を行い、最終的に肝癌治療につなげることを目的としている。平成23年度においては、主に以下の2点につき研究を遂行した。 1.マウス肝癌移植モデルの2光子レーザー顕微鏡による観察 マウス肝癌細胞株(Hepa1-6)をGFP遺伝子組み換えマウスの肝臓に直接移植し、マウス肝癌移植モデルを作成することに成功した。また、Hepa1-6の脾臓注射によりマウス肝癌肝転移モデルを作成することに成功した。肝癌移植マウスに2光子レーザー顕微鏡を用いてin vivo、real timeでの観察を可能とした。マウスはLys-eGFPマウスを用いることで好中球が蛍光標識され、肝内での動態が観察可能であった。 2.画像解析 高解像度の対物レンズを用いることで肝類洞内の血流の有無を鑑別できるようになった。また、得られた画像をImage Jを用いて解析し、particleの個数の変化を経時的に測定することに成功した。また、G-Trackを用いてparticleの移動速度(velocity)を解析することに成功した。類洞内の血流途絶部位では好中球の移動速度が有意に遅かった。また、定点当りの蛍光強度の変化を定量化することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝癌移植モデルの作成に時間がかかったことと、蛍光を発する動物の入手につき時間がかかったため、研究の遂行に難渋したため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度以降は、微小環境での腫瘍細胞と白血球の関連を明確にするために、転移性肝癌との関連や、免疫抑制剤、抗血管阻害剤、抗炎症剤投与下での肝癌増殖の検討を行っていく予定である。
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