2011 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍局所におけるIL-17産生制御による新しい分子標的治療の開発
Project/Area Number |
22591415
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (70244738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (80364090)
尾島 敏康 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (60448785)
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Keywords | IL-17 / 血管新生 / MMP9 / 腫瘍浸潤リンパ球 / 癌微小環境 |
Research Abstract |
本研究は腫瘍局所においてIL-17の産生を抑制することで腫瘍増殖を抑制できるか否かを明らかにし、さらにIL-17制御の標的としていずれが分子標的として優れているかを明らかにすることを目的としている。昨年度はC57BL/6マウスに5×10^5個のMC38を皮下接種した。(1)Ad-IL-17 siRNA 1×10^9PFU、(2)Ad-SNC 1×10^9PFU、(3)PBSをDay5、8、11の3回腫瘍内に投与し、腫瘍増殖抑制効果を検討した。本年度は、Ad-IL-17 siRNA腫瘍内投与におけるIL-17抑制効果を確認するために、腫瘍接種14日目のtumorを採取し、tumor lysateのELISAを行った。結果、コントロールと比べAd-IL-17 siRNA投与群で有意にIL-17抑制していた。次に、血管新生について評価するために、腫瘍接種14日目のtumorを採取し、抗CD31抗体、抗MMP9抗体を用いた免疫組織化学染色を行った。結果、コントロールと比べAd-IL-17 siRNA腫瘍内投与におけるIL-17抑制により有意に腫瘍内抗CD31抗体陽性細胞、MMP9発現の抑制していた。以上より、癌微小環境でのIL-17抑制は血管新生の抑制につながることが明らかとなった。さらに、同モデルを用いて、抗腫瘍免疫に関する検討を行った。腫瘍接種14日目のtumorを採取し、腫瘍浸潤リンパ球を抽出し、CD8陽性細胞をMACSにて分離し、^<51>Cr-release assayにてCTL活性を評価した。結果、コントロール群と比較し、Ad-IL-17siRNA腫瘍内投与群で細胞傷害活性の増強を認めた。この結果、癌微小環境のIL17の抑制することで腫瘍浸潤リンパ球の抗腫瘍効果を増強することが明らかとなった。RORγt siRNA発現adenovirusvectorは現在作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
RORγt siRNA発現adenovirus vectorの作製がやや遅れているが、その他の研究については順調に経過している。
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Strategy for Future Research Activity |
RORγt siRNA発現adenovirus vectorの作製を作成後、IL-17siRNA発現adenovirus vectorと比べIL-17制御の標的としていずれが分子標的として優れているかを明らかにする計画である。
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Research Products
(1 results)