2010 Fiscal Year Annual Research Report
大動物モデルによる膵島移植の免疫学的特異性に基づいた非侵襲的免疫寛容誘導法の確立
Project/Area Number |
22591417
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
平方 敦史 日本医科大学, 医学部, 助教 (40468765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和彦 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 教授 (40241103)
佐原 寿史 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 特任准教授 (90452333)
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Keywords | 膵島移植 / 移植後免疫寛容 / ミニブタ / 腎移植 / 膵島・腎移植 / 血管再構築 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、ドナー腎皮膜下で同じドナー膵島を移植前にvascularizeさせる(IK)ことで、vascularized IKをドナーとした同種移植後に移植膵島が正常に機能し、免疫寛容が誘導されることを報告した。本研究課題では、主要組織適合性抗原(MHC)確立ミニブタを用いた前臨床大動物実験で、免疫寛容が腎の同時移植に依存するのか、膵島vascularizationのみで免疫寛容を誘導しえるかを明らかにする。 平成22年度は目的1として、ドナー腎移植を伴わずにvascularized islets移植のみを行うモデルを作製した後、膵島移植を行い、IK移植と同様に免役寛容となるかを評価した。 第1段階として、12日間高濃度CyA療法で同種間腎移植免疫寛容を導いた移植腎(A)に、レシピエント(B)自身の膵島を移植し、移植腎内(A)での移植膵島(B)の生着および移植膵島(B)が免疫寛容腎(A)からの血管でvascularizeされていることを組織学的に確認した。 第2段階として、作成した膵島腎(IK:腎臓A、膵島B)を腎臓と同じMHCのブタ(A')に対し、自己膵臓完全摘出後に12日間高濃度CyA下にIK移植を3例に行った(膵島はvascularized-同種膵島)。移植後の経過として一過性の血糖制御を認めたが移植後1-2ヶ月に血糖の上昇と抗ドナー反応を認め、免疫寛容に至らなかった。 この結果は、腎移植では免疫寛容が得られる12日間高濃度CyA療法では、vascularized isletsは免疫寛容が誘導されないことを示している。平成23年度は、免疫寛容誘導おける膵島移植の免疫学的特異性を明確にするため、(1)より免疫寛容を得やすい免疫抑制剤への変更、(2)vascularized islets移植時にドナー血管内皮細胞や抗原提示細胞を補充し、免疫寛容が誘導されるかを評価する(目的2)。
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