2010 Fiscal Year Annual Research Report
ビオチン標識miRNAを用いたプルダウン法による食道癌関連遺伝子の同定と機能解析
Project/Area Number |
22591433
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伊藤 佐智夫 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30335624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内田 守 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80213635)
岡 剛史 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50160651)
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Keywords | microRNA / pull-down assay / 癌 |
Research Abstract |
microRNA(miRNA)は特定のメッセンジャーRNA(mRNA)の3'非翻訳傾域(UTR)の相補的に結合し、mRNAの翻訳制御とRNA interferenceによる分解を誘導する。発生や分化の方向性を決定する分子として注目され、最近の研究においては、miRNAの発現変動には発癌やアポトーシスと密接な関連があることも報告されており、疾患との関係も注目されている。食道癌を含めた原因遺伝子が同定されていない癌に関しては、発癌においてmiRNAが癌遺伝子のように作用している可能性が大いに考えられる。また腫瘍細胞において正常細胞より発現が低下しているmiRNAは癌抑制系に関与していることが示唆される。 本研究では食道癌における発癌または癌抑制に関与するmiRNAを特定することを目標とすると同時に効率的な標的遺伝子の同定法を確立することにより、これまでに明らかにされていない様々な生命活動の解明に貢献することを目的としている。 先ず、標的遺伝子の同定法として、ビオチン標識したセンス鎖をもつ2本鎖miRNA(ds-miRNA)を合成し、このds-miRNAを細胞に導入してストレプトアビジンによりmiRNA-標的mRNA 3'UTRをpull-downする方法を考案した。手技の簡便化を図るため、細胞導入なしに細胞全抽出液とds-miRNAを試験管内で相互反応させる方法を構築することにした。現時点では細胞抽出用溶液と相互反応後の洗浄溶液の組成や反応条件等は検討中であるが、食道癌臨床検体および食道癌細胞株のプロファイリングから発現差のみられたmiR-X、miR-Yを用いたモデル実験では、いくつかの標的遺伝子候補が得られている。今後はこれら標的遺伝子候補をmiRNAの細胞内相互作用の確認と、相互作用のみられた標的遺伝子に関して機能解析を行りていく予定である。
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Research Products
(3 results)