2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591437
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
尾崎 宣之 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (40551255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石河 隆敏 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (00343351)
近本 亮 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (10419640)
馬場 秀夫 熊本大学, 大学院生命科学研究部, 教授 (20240905)
高森 啓史 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (90363514)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | PSTI / SPINK1 / EGFR / 膵癌 |
Research Abstract |
PSTIは膵臓以外にも消化管や泌尿器系、生殖器系にも発現が見られることから、レセプターも広範に存在する可能性がある。膵臓以外に食道・胃・大腸におけるSPINK1の発現系を解析した。同時に各種癌においても解析を進めた。免疫染色により各種の染色を行ったところ、食道においてはSPINK1の発現は認められず、わずかに筋層周囲に認められるのみであった。食道癌においては発現はほぼなく、食道癌とSPINK1との関連は薄いと考えられた。胃においては陰窩に特に強く発現を確認され、幹細胞の性質を持つ細胞に発現している可能性を示唆させた。胃癌においては高分化型に特に強く発現しており、未分化な癌に関してはほとんど発現を認めなかった。大腸に関しても胃と同様に陰窩に強く発現し、高分化型腺癌で強い発現を確認できた。 新規レセプターに関しては、EGFR以外に有効な受容体を同定できておらず、更なる解析を進めていく必要がある。抽出したPSTIと結合するタンパクを、再び液体クロマトグラフ・質量分析計(LC-MS)を用いて網羅的に解析する予定としている。 また、SPINK1が慢性炎症と癌化をつなぐ一因子である可能性にも注目している。SPINK1遺伝子発現を、遺伝子改変技術を用いて制御することで、2種類の発症機序の異なる遺伝子改変慢性膵炎モデルマウスを樹立し、膵線維化に関わる膵星細胞の活性化、Kras遺伝子、EGFRファミリー遺伝子、INK4a遺伝子の発現を調べた。膵管様構造を形成する腺房細胞ではKi67陽性で、異常な増殖を示していた。拡張した膵管上皮の一部は過形成が見られ、PanINと類似していた。異常な増殖を示す腺房細胞と共に、この過形成上皮細胞でもEGFR陽性であり、すでに慢性膵炎の状態でもKras遺伝子、EGFRファミリー遺伝子の発現上昇が見られ、前癌状態への移行期であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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