2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌幹細胞を標的とした薬物療法効果判定システムの構築
Project/Area Number |
22591441
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
柏葉 匡寛 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80326660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 亨 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60405800)
武田 雄一郎 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90438458)
上杉 憲幸 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10291618)
若林 剛 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50175064)
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Keywords | 癌幹細胞 / 薬物反応性 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
乳癌幹細胞(BCSC)の機能は本研究の趣旨である薬剤感受性で最重要であるが、先ずは免疫染色を中心とした実験系の確立を兼ねてその各組織内でのALDH1での同定(分布、割合)、さらにBCSCにEMT等の現象が生じている場合Stemnessの変化、薬剤感受性が変化していることが予想され今後の研究の影響を及ぼすと考えられた。原発巣、転移陽性センチネルリンパ節でのALDH1の発現を免疫染色で検証したが、原発巣、センチネルリンパ節での発現頻度、強度、発現部位(上皮・間質)は多様で、臨床病理学的因子との比較ではER陰性、Ki67低発現と相関が見られ諸家の論文と同様の傾向であった。さらに研究を進め、センチネルリンパ節ではALDH1の発現は原発と異なる発現形式を示す場合が見られ、これは腫瘍の物理的移動だけでなく能動的移動とそれに伴う腫瘍の生物学的発現型の変化を示す可能性が示唆されたことから、EMTが生じていると仮定し代表的markerであるTWISTの発現を連続切片上で染色し、ALDH1陽性細胞群に近接してTWIST陽性細胞が存在することが判明した。これは未報告の発見でありEMT自体が薬剤耐性の1因で有る可能性は否定できず、乳癌の能動的転移の機序の解明と共に非常に重要な発見であったことから、The 7^<th> International Sentinel Node Society MeetingのPlenary sessionで発表する機会を得た。その後転移と腫瘍の生物学的変化を多重免疫染色で検証する実験を重ねている。今後薬物療法後の同一患者の骨髄内DTC、循環血中CTCと原発、リンパ節転移巣での各マーカーの発現を検証する基盤は形成されたと判断している。
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Research Products
(2 results)