2011 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌幹細胞を標的とした薬物療法効果判定システムの構築
Project/Area Number |
22591441
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
柏葉 匡寛 岩手医科大学, 医学部, 講師 (80326660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 亨 岩手医科大学, 医学部, 助教 (60405800)
上杉 憲幸 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10291618)
若林 剛 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50175064)
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Keywords | 乳癌 / 薬剤耐性 / 癌幹細胞 / EMT |
Research Abstract |
乳癌の原発巣と微小転移巣の代表である骨髄転移の細胞から乳癌幹細胞を分離し治療前後の機能や発現型の変化から投与した薬剤への感受性を検討する研究テーマであったため、(1)原発腫瘍での乳癌幹細胞マーカーの発現、EMT関連蛋白の発現を免染で検討した。引き続き原発-転移巣で環境により薬剤感受性が異なるのではないかという仮説から、(2)転移巣とくに転移の初期段階と考えられるセンチネルリンパ節の微小転移(直径<2mm)での幹細胞マーカー、EMT関連蛋白の発現を検証した。結果として1)原発巣ではIntrinsic subtype毎にかなり多様な乳癌幹細胞マーカーの発現状態であること、2)腫瘍径での検討では小腫瘍でリンパ節転移を伴う腫瘍でより幹細胞マーカーおよびEMTマーカーの発現が高い3)微小転移であるセンチネルリンパ節の腫瘍での乳癌幹細胞マーカーの発現は原発巣での発現よりも高い傾向であること、同陽性部位の細胞にEMTマーカーであるTWIST蛋白の発現が高いことが判明した。これは原発巣の乳癌幹細胞がEMTを介しリンパ節に能動的に転移するプロセスを観察している可能性、あるいは転移のプロセスの初期で幹細胞性が向上し、結果微小転移で多く観察された事を示唆する。この後手術検体の生標本での酵素処理による細胞レベルでの検証の基礎となるデータが得られた。今後は骨髄腫瘍細胞の採取、管理方法、各種マーカを検出し、特に術前化学療法患者実施患者での原発巣、骨髄腫瘍細胞での残存腫瘍における発現マーカーのプロファイルの違いから、補助化学療法による微小転移巣の絶滅の機序を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原発巣での幹細胞マーカーの検証は免疫染色中心に大きく進歩したが骨髄生検の検証において当初予定していた会社(ベリデックス社)が業務縮小したため、採取後短時間で検査が必要な環境が実現できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初免疫染色のみで幹細胞マーカーやEMTマーカーを検出する予定であったが、ベリデックス社のCELL SEARCHへの外注が困難であることから、今後はRT-PCR法でのmRNAの発現の検証で代替する予定である。このことは不安定で発現時間の短い癌幹細胞マーカーやEMTマーカーを適宜検出可能であること、また連続関数での定量が可能、検出系も汎用性があることが予想される。
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Research Products
(3 results)