2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌における内分泌治療耐性機序の解明とその臨床応用
Project/Area Number |
22591442
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20216261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80327543)
坂田 道生 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (60235158)
高橋 麻衣子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50348661)
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Keywords | 乳癌 / BTG2 / 内分泌療法 / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
現在までに我々が報告を行った、細胞周期制御因子BTG2とERの関係(Kawakubo,Oncogene 2004;Kawakubo,Hayashida,Cancer Res 2006)を踏まえ施行された研究の結果、ER(+)乳癌の40%に認められるBTG2高発現乳癌に対しタモキシフェン(TAM)の感受性が著しく高まるか否かを確認することを目的として研究を行った。任意にBTG2発現誘導を得るため、ER(+)乳癌細胞株MCF7にテトラサイクリン(tet)誘導系を導入し、tet存在下でのBTG2の高発現と、tet+TAMの同時添加による強い細胞増殖抑制効果を確認した。同細胞はH-Rasの導入により、マウス乳腺での腫瘍生着が得られ、飲水へtetを含有することで、腫瘍組織でのBTG2高発現が得られた。この担癌マウスへのTAM投与では、BTG2発現下においてのみ著明な腫瘍増大抑制を認め、Ki67の低下とCaspase3の亢進を認めた。in vitroの機能解析では、BTG2発現下でのみ認められるER・HER2間のクロストークが、このTAM感受性亢進に関わっていることが示唆された。さらに、患者60人のアレイデータ解析では、BTG2高発現症例で有意にTAM投与後の無再発生存率が高く、BTG2発現のみが有意な予後因子であった。本研究により、BTG2高発現乳癌ではTAM感受性が著しく亢進していることがアキラかとなり、今後はTAMに対する感受性予測因子として臨床応用することを目的としていく。
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Research Products
(2 results)