2012 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌における内分泌治療耐性機序の解明とその臨床応用
Project/Area Number |
22591442
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
神野 浩光 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20216261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 麻衣子 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (50348661)
林田 哲 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (80327543)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 乳癌 / BTG2 / タモキシフェン / 薬剤感受性 |
Research Abstract |
現在までに我々はエストロゲンレセプター(ER)陽性乳癌の46%に細胞周期抑制因子B-Cell Translocation Gene2 (BTG2)の発現が欠損すること、本遺伝子の欠損が乳癌の発癌に深く関わっていること。また、細胞周期の制御因子であり、乳癌症例の約50%で発現亢進が認められるCyclinD1の発現とBTG2の発現が逆相関にあることを報告してきた。(Kawakubo, Oncogene 2004; Kawakubo, Hayashida, Cancer Res 2006) 本年度の研究では、ER陽性乳癌細胞株MCF7において、テトラサイクリン(Tet)を添加することで、任意にBTG2遺伝子の発現を誘導可能なモデルを作成し、Tet存在下でのBTG2高発現を確認後、Tet・TAMの同時添加による強い細胞増殖抑制効果を確認した。同細胞はH-Rasの導入により、免疫不全マウス乳腺への異種移植を行い、Tet含有水を飲水として使用することで、形成した腫瘍組織でのBTG2高発現が得られた。この担癌マウスへのTAM投与では、BTG2発現下においてのみ著明な腫瘍増大抑制と腫瘍径・重量・Ki67発現が有意差をもって低下していた。術後TAMのみを投与された患者60人のマイクロアレイデータ解析では、乳癌組織中のBTG2発現はtumor gradeと相関があり、BTG2高発現症例において有意にTAM投与後の無再発生存率が高く、多変量解析にてBTG2発現のみが有意な予後因子であった。これら結果より、BTG2高発現乳癌ではTAM感受性が著しく亢進していることが示された。今後のさらなる検討が必要であるが、TAMに対する感受性予測因子としての臨床応用が期待されると考えられ、研究を継続していく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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