2011 Fiscal Year Annual Research Report
CRP遺伝子多型による食道癌リンパ節転移診断法の開発と機序解明
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22591448
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
本山 悟 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60292372)
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Keywords | 食道癌 / リンパ節転移 / CRP / 遺伝子多型 / VEGF |
Research Abstract |
本申請研究の目的は、(1)この研究結果を臨床検査として日常臨床に普及させるため、多くの臨床データを集積し保険収載を目指すこと、(2)保険収載を達成する上で必要となるCRPによるリンパ節転移調整機序を解明することである。 研究1:最初に国内のhigh volume center3施設との多施設共同研究で、Tlb食道癌150例のDNAサンプルを集積し、CRP1846C>T遺伝子多型と食道癌リンパ節転移の関連を解析した。この結果は多施設共同研究で、臨床応用に最も適したTlb食道癌患者を対象にしたものであり、今後の先進医療や体外診断薬としての薬事申請において核となる臨床データとなった。解析結果は現在論文投稿準備中である。また、他の固形癌を対象にした臨床研究は当院他科、県内の関連施設との共同研究として食道癌のみならず、子宮癌、卵巣癌、乳癌、胃癌、大腸癌で同様に進行中である。子宮癌、卵巣癌では食道癌同様良好な結果を得ている。その一方で他の癌腫に関しては十分なサンプルが集まっていない。 研究2:マウス由来の扁平上皮癌培養細胞をヌードマウス背部皮下に移植し、この癌細胞が鼠径リンパ節に転移するというリンパ節転移動物実験転移モデルを確立した。このモデルを用い、宿主側CRPが扁平上皮癌リンパ節転移発生に深く関与する事を証明した。同時に、in vitroで血管やリンパ管新生を誘導するVEGFがCRP投与下ではその発現が大きく変化する事を証明した。以上、CRPによるリンパ節転移調整機序の一部を解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CRPによる癌進展機序解明として計画していたmicroRNA解析、分子イメージング解析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データの蓄積および解析は乳癌、胃癌、大腸癌、頭頸部癌で十分でないため、これらの癌腫を中心に臨床研究をすすめる。CRPによる癌進展機序解明として計画していたmicroRNA解析は予定から遅れてはいるものの、既に研究は遂行されており、計画どおりの内容を遂行できる。分子イメージングに関する研究は目的とする分子が定まらず未だ遂行されていないため、ターゲット遺伝子の同定を先行して行う予定である。
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Research Products
(3 results)