2010 Fiscal Year Annual Research Report
担癌状態における免疫抑制機序、特にTh17細胞の分布と誘導機序の解明
Project/Area Number |
22591452
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
水上 佳樹 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 医学研究員 (70530111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 浩二 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (40283204)
河口 賀彦 山梨大学, 医学部・附属病院, 診療助教 (80402048)
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Keywords | Th17細胞 / 制御性T細胞 / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
近年、Th17と呼ばれる新たなT細胞サブセットが存在し、これがアレルギー応答や自己免疫疾患等で中心的な役割を果たしていることがわかってきた。現在のところ、癌とTh17細胞との関係はほとんどわかっておらず、我々は本研究において、癌における免疫逃避機序の解明を制御性T細胞(Treg)のみならず、Th1,Th2,Th17細胞,およびTh17/Treg balanceにも着目し、新たな癌免疫応答の機序の解明においてbreak throughすることを目的とする。 平成22年度において、本研究は胃癌患者25例(予定症例数50例)、食道癌患者20例(予定40例)から、術中に採取した癌組織(TIL)、正常粘膜上皮(IEL)、第1群、第2群所属リンパ節および空腸間膜内リンパ節、および末梢血を採取した。各々から、Treg,Th1,Th2,Th17に関して検討したところ、TregはIELに比較してTLLで増加しており、癌の進行とともにその比率が増加していく傾向があった。Th17細胞は、IELに比較してTILで増加するが、癌の進行とともに、その比率は減少していく傾向にあった。すなわち、Th17/Treg比は、癌の進行とともに低下していく傾向にあり、腫瘍局所における免疫応答において、重要な情報が得られた。さらに平成23年度には、これらの検討を継続しておこない、さらに、免疫染色によりin situでその分布を検討する予定である。
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