2012 Fiscal Year Annual Research Report
担癌状態における免疫抑制機序、特にTh17細胞の分布と誘導機序の解明
Project/Area Number |
22591452
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
水上 佳樹 山梨大学, 医学工学総合研究部, 医学研究員 (70530111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河口 賀彦 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80402048)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 癌ワクチン療法 / 癌微小環境 / IL-17 / Th17 / 制御性T細胞 / アポトーシス / 酸化ストレス / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
前年度までの研究成果として、TGF-βとIL-6が癌局所に発現していること、癌の進行に伴いナイーブT細胞をTh17に誘導するIL-6の発現が低下するという微小環境の変化によりTh17が減少し、逆にナイーブT細胞が制御性T細胞(Treg)に誘導されることを示した。そして癌免疫療法の効果増強にはTregを抑制し、Th17を誘導することが重要であることも明らかにした。またTh17の誘導にはImpactを投与する免疫栄養療法(IMNT)が有効であり、癌免疫療法におけるIMNTの有効性を明らかにした。これらの結果に注目し、今年度はTh17と癌の増殖との関係、さらに腫瘍に浸潤しているTregについても、癌微小環境として重要な酸化ストレス環境での動態を検索した。Th17と癌のinitiationと progressionの関係を検索するために、IL-17KOマウスにDENを投与し肝発癌モデルを作成したところ、WTマウスに比較して明らかに発癌率は低下し、腫瘍サイズも有意に小さく、TH17細胞数は増加していた。このことからIL-17KOマウスでは何らかのfeedbackによりTH17細胞が増加し腫瘍抑制的に作用したものと考えられ、前年度の結果をさらに強く支持する結果であった。また、癌の進展に伴って癌の微小環境ではTregとH2O2の産生量が正の相関を示し、さらに通常のT細胞はH2O2により容易にアポトーシスに陥るにも関わらず、TregはH2O2抵抗性を示しアポトーシスに陥る率は極めて低率であった。このことが癌の増殖に伴うTregの増加の原因とも考えられた。 以上の結果は、癌微小環境ではH2O2過剰環境の中でTregはアポトーシスを免れ、Th17細胞はアポトーシスで死滅してしまうことが証明された。今後癌ワクチン療法の有効性を高めるために、このH2O2過剰環境を変化させることが重要である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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