2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷修復蛋白を分子標的とした食道癌に対する新規化学放射線療法の開発
Project/Area Number |
22591454
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
檜原 淳 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 講師 (10322744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 守人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 食道癌 / 化学放射線療法 / DNA損傷 / Rad51 |
Research Abstract |
本年度は一昨年,昨年度に続き,CDDP, 5-FU添加時の食道癌細胞株におけるDNA損傷の指標であるγH2AXとDNA修復蛋白Rad51 focusの発現を検討することで,これら薬剤による抗癌作用メカニズムについて新たな知見が得られた。得られた結果は以下の通りである。 1)食道扁平上皮癌細胞株TE11において,5-FU処理後のγH2AX蛋白発現は5-FU代謝関連酵素ribonucleotide reductase M1 (RRM-1)蛋白の発現レベルと相関し,RRM-1が5-FUによるDNA損傷に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。さらにTE11でRRM-1をノックダウンすると,RAD51フォーカス形成の減少を認め,5-FU/CDDP併用に対する感受性が抑制された。 2)Poly(ADP-ribose) polymerase(PARP)-1阻害剤はCDDPと協同してTE11の感受性を増強させ,この効果はCDDPと5-FUを組み合わせて処理した場合と同様であった。さらにRad51をノックダウンすると,TE11のCDDP/5-FUおよびCDDP/PARP-1阻害剤に対する感受性が増強し,相同組換え修復がCCDP/5-FUの相乗効果に関与していると考えられた。 以上の結果より,従来代謝拮抗剤として考えられていた5-FUもDNAの二重鎖切断を引き起こしていること,およびRRM-1発現の程度により5-FUの抗癌作用機序が異なってくることが示唆された。さらに相同組換え修復経路がCDDP/5-FUの相乗効果と深く関わっており,5-FUはCDDPによりもたらされたDNA損傷をRAD51蛋白が関与するタイプに修飾することが明かとなった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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