2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学療法における消化管毒性とDiamine Oxidase(DAO)活性
Project/Area Number |
22591455
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
武田 茂 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (50403671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 茂文 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (60294633)
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Keywords | 化学療法 / 血中Diamine Oxidase活性(DAO) / 食道癌 |
Research Abstract |
平成22年度は、臨床的検討として、食道がん患者を対象に、がん化学療法をおこなう患者において、DAO活性を測定して消化管毒性の指標になるかどうかの検討を行なった。 【目的】癌化学療法による消化管毒性は患者の栄養状態を損なう要因となる。Diamine Oxidaseは小腸の粘膜上皮細胞内に存在する酵素で、ポリアミンの分解酵素であり、腸管の萎縮や上皮の損傷などがあると活性は低下し、血中Diamine Oxidase活性(DAO)も低下するため、小腸粘膜の形態的変化の指標とされる。今回、食道癌化学療法時にDAOを測定し、消化管毒性との関連を分析し、DAOの測定意義について検討した。 【方法】化学療法の適応となった食道癌患者24人を対象にした。化学療法はFP療法(cisplatin ; 70~80mg/mm2 : day1,5Fu;700~800mg/mm2:day1~5)を行った。DAOは投与前、投与終了後、休薬期間後に測定、観察期間中の消化管毒性との関連について検討した。 【成績】DAOは投与前、終了後、休薬後が、6.69,6.13,6.90(unit/L)と、投与後に有意に低下し(p=0.032)、休薬期間後には回復する傾向を認めた。消化管毒性は、有/無:15/9例で、消化管毒性有群のDAOは、投与前、投与後、休薬後が、6.33、5.30、6.43と投与後に有意に低下するのに対して(p=0.0026)、消化管毒性無群は、それぞれ、5,55、6.20、5.93と有意差を認めなかった。%DAO(投与前値を基準とする)を比較すると、消化管毒性有/無で、投与後、休薬後がそれぞれ、69/101%、94/99%で、消化管毒性有群における投与後の%DAOが有意に低かった(p=0.0013)。 【結論】食道癌化学療法においてDAOは、消化管毒性有群で投与後に有意に低下していたが、消化管毒性無群では変化がなかった。今後、DAOを用いて、化学療法中の栄養療法による消化管粘膜保護についての評価を行なう予定である。
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Research Products
(3 results)