2010 Fiscal Year Annual Research Report
新しい胃癌の癌抑制遺伝子RUNX3の細胞分化・癌化機構の解明と診断・治療への応用
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22591463
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
阪倉 長平 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10285257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30291587)
千葉 勉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30188487)
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Keywords | 胃癌 / RUNX3 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
前年度までのRUNX3ノックアウトマウスや胃癌臨床検体の解析結果に基づき、より詳細なRUNX3の機能解析と遺伝子診断や発癌予防・治療への応用を目指して以下を展開した。 1. 胃癌発生母地、特に腸上皮化生や残胃粘膜、残胃癌でのRUNX3の発現変化の検討 2. RUNX3のSNPs(single nucleotide polymorphism)のタイピングと胃癌罹患感受性診断への応用 3. 胃癌臨床検体及び周囲背景粘膜における胃癌前駆細胞のスクリーニング 4. 胃癌発生リスク評価への応用・胃癌前駆細胞の探索とその追跡調査(コホート研究) 5. 複数遺伝子MSPによる遺伝子診断、定量的検査の自動化・血清診断への応用 6. ラット・マウス化学発癌モデルを用いたRUNX3遺伝子発現誘導による発癌予防実験 7. 各種悪性腫瘍におけるRUNX3の放射線や抗癌剤感受性への関連の検討 既に我々は胃癌前駆細胞のマーカーを数種類同定しており、早期多発胃癌切除標本の背景粘膜において胃癌前駆細胞を探索しつつある。また新しいHDAC阻害剤FK228やSAHAなどが開発され臨床応用されつつある。我々はこれらの薬剤がRUNX3を発現誘導し、マウス化学発癌モデルにて発癌抑制効果を示すことを確認しており、RUNX3を分子標的とした発癌予防や癌治療に応用しうると考えている。さらにRUNX3はTGFβ依存性アポプトーシスに重要な役割を果たしており、放射線化学療法の感受性に関与していることが明らかになった(Oncogene, Sakakura et al. 2007)。また我々はRUNX3ノックアウトマウスとAPCノックアウトマウスの掛け合せにより大腸病変の発生を確認している。大腸癌の発癌シグナル伝達系(Wntシグナル系)とRUNX3-TGFβシクナル伝達系のオーバーラップする分子(TCF4)も同定されており(Cancer Cell, Ito et al, 2009)、今後更なる発展が期待しうる。我々は日立ソフトLuminexシステムにより、多数の検体における複数遺伝子のメチル化を定量的に短時間で測定しうる迅速血清診断システムを確立し、実地臨床に応用可能しつつある。
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[Journal Article] Salvage surgery for uncontrollable hepatocellular carcinoma treated with repeated non-surgical therapies2010
Author(s)
Ochiai T, Sonoyama T, Ikoma H, Kuriu Y, Nakanishi M, Kubota T, Kikuchi S, Ichikawa D, Fujiwara H, Okamoto K, Sakakura C, Kokuba Y, Otsuji E.
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Journal Title
Hepatogastroenterology.
Volume: 57(101)
Pages: 858-864
Peer Reviewed
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[Journal Article] RUNX3 promoter methylation in colorectal cancer : its relationship with microsatellite instability and its suitability as a novel serum tumor marker.2010
Author(s)
Nishio M, Sakakura C, Nagata T, Komiyama S, Miyashita A, Hamada T, Kuryu Y, Ikoma H, Kubota T, Kimura A, Nakanishi M, Ichikawa D, Fujiwara H, Okamoto K, Ochiai T, Kokuba Y, Sonoyama T, Ida H, Ito K, Chiba T, Ito Y, Otsuji E.
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Journal Title
Anticancer Res.
Volume: 30(7)
Pages: 2673-2682
Peer Reviewed
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[Presentation] オンコロジストとしての外科医に求められる基礎研究とは何か 『次世代の標準治療』を探索するための基礎医学研究2010
Author(s)
阪倉長平, 西尾実, 宮下篤史, 長田寛之, 生駒久視, 栗生宣明, 中西正芳, 窪田健, 市川大輔, 藤原斉, 岡本和真, 落合登志哉, 国場幸均, 園山輝久, 大辻英吾
Organizer
第110回日本外科学会総会 パネルディスカッション
Place of Presentation
名古屋
Year and Date
20100408-20100410