2010 Fiscal Year Annual Research Report
IAPファミリーを標的とした新規大腸癌治療法の開発
Project/Area Number |
22591477
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木内 誠 東北大学, 病院, 助教 (90422146)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 伸樹 東北大学, 病院, 助教 (50547403)
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Keywords | 大腸癌 / IAPファミリー / 癌治療 / アポトーシス |
Research Abstract |
1.大腸癌切除標本を用いたmRNA発現解析(木内、矢崎、大学院生):凍結保存している大腸癌切除標本を用いて、real-time RT-PCRにてよる発現量の定量を行った。すなわち、正常部と癌部からtotal RNAを抽出し(癌部と悲癌部、25対)、survivin,cIAP1,cIAP2,XIAPなど、IAPファミリーに属する遺伝子群のmRNA発現をreal-time RT-PCRにて定量してきた。survivin,cIAP2,XIAP遺伝子は、癌部での発現量が非癌部よりも高い傾向を示し(cIAP2:約1.9倍、survivin:約2.9倍など)、癌細胞ではapoptosisを誘導しにくい可能性がある。これについてはcaspase活性、TUNELアッセイなどでも確認していく必要がある。一方、cIAP1遺伝子については、プライマーの条件検討を行っていく予定である。また、正常部・癌部の各遺伝子の発現と、各大腸癌症例の臨床病理学的因子との関連を解析する。 2.ホルマリン固定標本を用いたタンパク質発現解析(木内、大学院生):共同研究者である東北大学病院病理部の石田先生の協力を得て、大腸癌と隣接する正常上皮のホルマリン固定標本で、免疫染色によるIAPファミリー発現の検討を進めてきた。検討を進めていく。 3.遺伝子発現プロファイルデータベースを利用したIAP family発現制御機構解析(木内):GEO(Gene Expression Omnibus)で公開さている大腸癌、正常大腸粘膜のマイクロアレイデータを用いて、大腸癌でのIAP familyの発現、またIAP familyの発現と相関・逆相関する遺伝子について解析を行っている。現在着目している遺伝子は、NFkB関連遺伝子、apoptosis関連遺伝子などである。共同研究者である産業技術総合研究所生命情報工学研究センターの藤渕航先生に相談している。
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