2010 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患におけるマイクロRNAの役割と癌化への関与
Project/Area Number |
22591479
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
畑 啓介 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60526755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠崎 大 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10312315)
釣田 義一郎 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80345206)
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Keywords | 小腸大腸肛門外科 / 炎症性腸疾患合併大腸癌 / マイクロRNA / 大腸癌 |
Research Abstract |
近年、タンパクをコードしない20塩基ほどのRNAであるマイクロRNAが発生のみならず、癌、自己免疫性疾患などとも関与していることが注目されており、癌や炎症などの治療法開発やバイオマーカーとしてマイクロRNAの臨床応用が期待されている。本研究ではヒトの炎症性腸疾患患者の血清や腸管粘膜におけるマイクロRNAの発現プロファイルを明らかにし、炎症性腸疾患の臨床病理学的因子との関連を調査することで、疾患メカニズムの解明と炎症性腸疾患合併大腸癌の早期発見に応用するための基礎的なデータを構築することを目的とした。特に腸管粘膜のマイクロRNA発現プロファイリングと炎症性腸疾患の病態、炎症性腸疾患合併大腸癌との関連に重点を置いて検索することで、炎症性腸疾患の病態の解明、炎症性腸疾患合併大腸癌の早期発見、早期診断に役立ことが期待される。 初年度はまず当院におけるIRB取得した後、手術標本、内視鏡時の生検、および血清サンプルの収集を行った。特に炎症性腸疾患合併大腸癌症例と潰瘍性大腸炎手術後の回腸嚢炎症例を対象としてサンプル収集を行った。そして、潰瘍性大腸炎手術後の回腸嚢(正常および回腸嚢炎)からの生検サンプルを用いて、まずはマイクロアレーを用いてmRNAの発現を網羅的に調査し、結果を得た。また、マイクロRNAの解析法としてリアルタイムPCRを用いた測定系の条件設定を行った。 来年度以降はこれらのデータを用いて、In silicoにて関連するマイクロRNAをピックアップし回腸嚢炎と関連したマイクロRNAの発現プロファイルを調査する予定である。 また、炎症性腸疾患合併大腸癌症例におけるマイクロRNAの発現を調査していく予定である。
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