2011 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌microscopic abscessにおける免疫誘導の解明とその臨床応用
Project/Area Number |
22591483
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
上原 圭介 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (50467320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梛野 正人 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (20237564)
横山 幸浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (80378091)
國料 俊男 名古屋大学, 医学系研究科, 特任講師 (60378023)
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Keywords | microscopic abscess / 免疫誘導阻止関連遺伝子 |
Research Abstract |
<目的> 本研究では大腸癌症例においてmicroscopica bscessを同定し、microscopic abscessを有する大腸癌と有しない大腸癌において網羅的遺伝子解析を行う。免疫誘導の阻止に関連する遺伝子を同定し、新たな治療法を開発することを目的とする。 <大腸癌microscopic abscess症例からのRNAの抽出とリアルタイムPCR> 名古屋大学腫瘍外科にて採取された大腸癌切除標本のうちmicroscopic abscessを有する4症例と有しない8症例の計12例のパラフィン包埋ホルマリン固定標本よりRNAの抽出を行った。microscopic abscessを有しない症例のうち3例から必要量のRNAの抽出ができず、自動核酸抽出装置など方法を変更し再度検討を行ったが十分量の抽出ができなかった。これは固定条件または保存状況が悪く、RNAが分解されていると考えられ、残り9例においてリアルタイムPCRによる遺伝子発現解析を行った。9例すべてにおいて標的とする遺伝子の発現の同定が可能であった。今後、これらのRNAを用いて網羅的遺伝子解析および増殖能、浸潤能などの機能解析を行う。 <研究意義・重要性> 癌治療において癌細胞だけでなく癌周囲に存在する微小循環の重要性が指摘されている。本研究を進めることにより微小環境における免疫誘導のメカニズムの解明ができ、さらに微小環境の制御により大腸癌の治療成績の向上が可能であり、本研究は意義のある研究と考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パラフィン包埋ホルマリン固定標本からのRNAの抽出を行った12例中3例に必要量のRNAが採取できず、方法の変更など再検討を行ったためやや予定が遅れている。しかし、採取したRNAによるPCRはできており、今後は順調に進展すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
パラフィン包埋ホルマリン固定標本からのRNAによる網羅的遺伝子解析を行う。同定した免疫誘導阻止関連遺伝子を標的にしたsiRNAを作成し、その発現抑制効果を明らかにする。免疫誘導阻止関連遺伝子を標的としたsiRNAを大腸癌細胞株に導入し、増殖能、浸潤能、細胞死などへの影響を明らかにする。
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