Research Abstract |
平成23年度は,平成22年度までのマウスモデルを用いた腸管粘膜免疫担当細胞(LPMC)の解析法確立のための基礎的検討に引き続き,炎症性腸疾患(IBD)患者,非IBD患者検体を用いた検討を行った。非IBD患者検体として,大腸癌症例の非癌部組織を使用した。 採取組織のdigestionを行い、LPMC(リンパ球、マクロファージ、樹状細胞(DC))を分離,FACSにより解析した。非IBD患者検体を用いて確認のために,CD11b, CD11cで単離された細胞を解析したところ,マウスにおけるCD103+DC(Treg誘導DC)がCD11b-CD11c+分画として,CD70high DC(Th17誘導DC)がCD11b+CD11c+分画として,マクロファージ(Treg誘導マクロファージ)がCDllb+CDllc-分画としてと分離され,マウスと同様の分布を取ることが推察された。細胞集団のソーティングを行い,CD11b-CD11c+分画をC群,CD11b+CD11c+およびCD11b+CD11c-をB群として,RT-PCR法によりmRNA発現の解析を行った。両群において,IL-10, IL-6, IFN-γ, CD70, CXCR1のmRNA発現は確認されたが,CD163 mRNA発現はB群においてのみ認められた。 IBD患者,非IBD患者のLPMCをCD11b, CD11c, CD103, CX3CR1, CD163で展開し,比較したところ,クローン病患者において,CD11b+CD11c+分画,CD11b+CX3CR1+分画の上昇傾向を認めた。またクローン病患者の病変部と正常部の比較では,病変部においてCD103+分画の上昇傾向を認めた。 各種表面マーカーを発現した抗原提示細胞(CD11c+CX3CR1+, CD11c+CX3CR1-, CD11c-CD11b+)と末梢血由来のナイーブT細胞を共培養し、T細胞の分化誘導解析(サイトカイン(IL-17A,IL-4,IFN-γ)産生)を計画中である。
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