2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22591488
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
上野 富雄 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (70284255)
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Keywords | 小腸再生 / 短腸症候群 / 再生医療 / 小腸粘膜下組織 |
Research Abstract |
本研究の目的は、大動物において、SISにより再生された小腸が、本来の生理的な機能を有しているかの基礎的評価を行ない、再生小腸伸張術が臨床で応用できる可能性を検討することにある。本年度は以下について、研究を行なった。 1.大動物におけるMSCシートの作製 マイクロミニピッグの大腿骨から骨髄液を採取し、我々がこれまでラットで行なってきた同様の方法でMSCを細胞シートとして回収することを試みた。MSCの採取・分離・培養は可能であったが、これを細胞シートとして回収することができなかった。 2.大動物における小腸再生伸張術の実施 大動物おける小腸欠損をSISで修復・再生できるかをビーグル犬を用い検討した。ビーグル犬の小腸長軸に5cmの小腸半周全層欠損を作製し、SISにて置換・修復した。 3.再生小腸のin vivoにおける機能評価 ビーグル犬は生存し、6カ月後に再生小腸のin vivoの機能評価を行なった。小腸再生部ならびに同部をはさんで口側、肛門側にフォーストランスデューサーを取り付け、空腹期消化管運動(MMC)を観察したところ、口側から肛門側へ伝播するような蠕動収縮を認めた。このことはin vivoにおいて小腸再生が機能していることを示している。 4.再生小腸のin vitroにおける機能評価と組織学的評価 ビーグル犬の再生小腸のin vitroにおける機能評価と組織学的評価を行なった。In vitroの機能評価では、再生筋肉片は薬物・電気生理学的検査にて反応を示した。また組織学的でも平滑筋層の再生が観察された。 5.SISの試作 Badylakら(Badylak, et al. J Surg Res, 1989)の方法に準じ、マイクロミニピッグの小腸からSISを作製し、その手順とコツを習得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実績の概要に示したように、予想された結果と異なる部分もあったが、他は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は研究成果の報告を行なう予定である。2012年10月20日からアムステルダムで開催されるUEGW2012にて発表するために、本研究課題の内容を抄録登録した。
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Research Products
(1 results)