2010 Fiscal Year Annual Research Report
絶食時の廃用性腸管萎縮における誘導型及び神経型NO合成酵素の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
22591492
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
内田 博之 城西大学, 薬学部, 准教授 (20245195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 一男 城西大学, 薬学部, 助教 (50337482)
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Keywords | iNOS / nNOS / 廃用性腸管萎縮 / アポトーシス / 絶食 |
Research Abstract |
【背景・目的】nNOS由来NOは、腸管筋神経叢内の神経伝達物質として小腸の蠕動運動の制御に関与している。著者らは、先行研究により、絶食による腸管粘膜萎縮における腸上皮細胞のアポトーシスがnNOSの減少とiNOSの増加を伴うことを報告した。本研究は、絶食後に再摂食を行い腸管粘膜の回復過程においても、iNOSとnNOSの相互作用が寄与しているかどうかを明らかにする。 【方法】Wistar雄性ラットを生理食塩水投与群と選択的iNOS阻害剤Aminoguanidine(AG)投与群の2群に無作為に分け、3日間の絶食後に、再摂食を0、6、24、48および72時間行った。空腸を摘出し、病理組織標本(HE染色)、iNOSおよびnNOSの免疫組織化学染色、およびiNOSおよびnNOSのmRNAの発現レベルを測定した。 【結果】摂食群に比べて再摂食0時間群では腸粘膜の萎縮に伴い、nNOSmRNAおよび腸管筋神経叢内におけるnNOSタンパクの発現が有意に低下した。同時にiNOSmRNAおよび腸絨毛におけるiNOSタンパクの発現が有意に増加した。一方、その後の再摂食による腸粘膜の伸長に伴い、nNOSの発現は増加し、iNosの発現は抑制された。また、AGによるnNosの発現に対する影響はみられなかったが、再摂食の早期段階におけるiNosタンパクの発現が減少した。 【結語】絶食による腸管粘膜萎縮は、腸管腔からの機械的刺激の欠如による蠕動運動の消失に伴う腸管筋神経叢内のnNOSの減少が、腸上皮細胞のiNOS発現の誘導を導いたことから生じる可能性が示唆された。
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