2011 Fiscal Year Annual Research Report
絶食時の廃用性腸管萎縮における誘導型及び神経型NO合成酵素の相互作用に関する研究
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22591492
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
内田 博之 城西大学, 薬学部, 准教授 (20245195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 一男 城西大学, 薬学部, 助教 (50337482)
伊東 順太 明海大学, 歯学部, 助教 (40609096)
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Keywords | iNOS / nNOS / 廃用性腸管萎縮 / 腸蠕動運動 / アポトーシス / 絶食 / 再摂食 |
Research Abstract |
【背景・目的】nNOS由来NOは、腸管筋神経叢内の神経伝達物質として蠕動運動の制御に関与している。著者らは絶食による腸管粘膜萎縮における腸上皮細胞のアポトーシスがnNOSの減少とiNOSの増加を伴うことを報告した。本研究は、絶食により腸蠕動運動がどのように変化するのかを明らかにし、iNOSとnNOSの相互作用が寄与しているかどうかを明らかにするために、絶食における腸蠕動運動の変化について予備検討した。 【方法】Wistar雄性ラットに絶食後再摂食を行い腸の蠕動運動を経時的に測定した。摂食時の蠕動運動を測定し、引き続き72時間絶食時の蠕動運動の測定、72時間再摂食時の蠕動運動の測定を行った。蠕動運動の測定には、miniature strain gauge force transducerを使用した。 【結果】摂食時に比べて絶食時は、経時的に腸蠕動運動の低下が観察され、また、再摂食時には腸蠕動運動の改善が観察された。腸蠕動運動の変化は早朝に顕著に観察された。iNOSとnNOSタンパク質の測定については、抗体の種類やトランスファー強度などのWestern blottingの測定条件の検討を行っているところである。 【考察】絶食により腸の蠕動運動は低下し、再摂食により腸の蠕動運動が改善することが明らかとなった。絶食による腸管粘膜萎縮は、腸管腔からの機械的刺激の欠如による蠕動運動の消失に伴う腸管筋神経叢内のnNOSの減少が、腸上皮細胞のiNOS発現の誘導を導いたことが証明されるものと推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腸の蠕動運動を測定するための条件設定に、非常に時間がかかってしまった。おおむね測定条件が決定したので、データを採ることができるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
絶食による腸蠕動運動の変化におけるiNOSとnNOSの相互作用を明らかにすることとともに、絶食による廃用性腸管粘膜萎縮にあたえる種々の栄養成分の改善作用をiNOSとnNOSの相互作用の観点より明らかにすることも重要であると推察している。
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