2011 Fiscal Year Annual Research Report
高機能磁性ナノ粒子を用いた大腸癌に対する高感度高効率診断・検診法の開発
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22591493
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
長谷川 博俊 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00218455)
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Keywords | 大腸癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
【背景】 近年、大腸癌の集学的治療として化学療法の進歩が顕著である。特に分子標的治療薬の登場で切除不能進行再発大腸癌の予後は、目まぐるしく改善を認め、現時点では、生存期間の中央値は約20か月に到達するほどになってきた。しかし一方で、切除不能進行再発大腸癌に対する有効症例、無効症例の個別化に対してはいまだ明らかではない。われわれは、分子標的治療薬である血管新生中和抗体薬に注目し、その治療の有効性を予測する因子について研究を幅広く展開している。血清中に存在する血管新生に関する様々なサイトカインの大腸癌における動向はいまだ明らかではない。 【研究の目的・重要性】 大腸癌担癌患者における血清basic Fibroblast Growth Factor(bFGF)測定の有用性を臨床的に明らかにする目的で研究を行った。 【具体的内容】 慶應義塾大学病院で、腸管切除を伴うリンパ節郭清を行った患者86名を対象にbFGFの血清値を定量的に測定した。健常人20名の血清bFGF値と大腸癌担癌患者血清bFGF値を比較し、血清bFGF値の術後推移を経時的に測定した。20名の健常人では血清bFGF値は中央値:4.14pg/mlであった。担癌患者における血清bFGF値は中央値:6.80pg/mlと有意に高い傾向を認めた(p=0.01)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腸がん術後、周術期の血清を収集し解析予定である。術後切除標本から得られた病理組織学的因子と血清bFGF値相関ならびに変動を検討する予定で研究を遂行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
血管新生中和抗体としてBevacizumab(Abastin)が本邦で保険認可されたのが2007年7月である。われわれの研究グループでは、消化器癌の化学療法の中心薬剤であるフッ化ピリミジン(5FU)に注目し、その代謝関連酵素の分子機序解明の研究を行ってきた。5FUと併用投与する文指標的治療薬の更なる機序解明も大切と考えている。今後は、切除不能進行再発大腸がんxenograftモデルを用いて、biomarker研究を行いたいと考えている。
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