2011 Fiscal Year Annual Research Report
大量肝切除限界超越のための自家骨髄細胞移植による肝再生療法の研究と開発
Project/Area Number |
22591498
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
力山 敏樹 東北大学, 病院, 講師 (80343060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 倫明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70282043)
林 洋毅 東北大学, 病院, 助教 (30422124)
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Keywords | 肝再生 / 自家骨髄細胞移植 / 大量肝切除 |
Research Abstract |
正常免疫のマウスにおいては70%肝切除は100%生存、90%肝切除は100%致死であることが報告されている。今回は、NOGマウスに対して70%~90%の肝切除を行なう基礎的実験を行なった。手技的に安定していないことに加え、免疫不全のせいもあるためか、70%肝切除モデルにおいても1週間生存率は50%程度であったため、引き続き肝切除の手技修得に時間を費やした。 緑色蛍光タンパク質(GFP)辱を全身に発現する重度免疫不全マウスであるNOG-EGFPマウスの骨髄細胞を採取し、70%肝切除マウスの肝切除と同時に脾静脈より投与を行なった。1週間後安楽死させ、肝臓を摘出し、肝組織中のGFP陽性細胞の存在を観察した。 また、実際の大量肝切除時には、術前に摘出予定肝の肝内の門脈枝を塞栓し、萎縮させ、手術の際の残存肝の肥大を起こさせるという手技(門脈塞栓術)を行なうことが一般的である。今回はマウスの70%の領域の門脈枝を結紮し、ヒトにおける術前門脈塞栓術モデルを作製した。このマウスに門脈塞栓と同時にGFP陽性の骨髄細胞を投与し、非塞栓領域の肝脾大に骨髄細胞が関与しているかどうかについても検討を行なうこととした。 こちらの研究については、現時点では門脈塞栓モデルの確立に留まっており、実際のGFP陽性骨髄細胞の投与は行なっておらず、来年度以降の検証を行なう予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度末の震災の以後、研究室の破損、実験器具の破損などにより、研究を立ち上げるまでに時間を要した。さらに、マウスの手術手技の修得、技術の安定化に予定外の時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス肝切除を行い、GFP陽性骨髄細胞の投与により、肝再生が促進されるかどうかを確認する。また、門脈塞栓モデルを作製し、同様にGFP陽性骨髄細胞を投与し、非塞栓葉の増大に骨髄細胞が関与しているかどうかを確認する予定である。
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