2010 Fiscal Year Annual Research Report
癌源細胞に基づく原発性肝癌の多様性とマイクロRNA制御による新規治療法の開発
Project/Area Number |
22591501
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大塚 将之 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (90334185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
清水 宏明 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (80272318)
吉富 秀幸 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375631)
高野 重紹 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (20436380)
林 達也 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (90568619)
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Keywords | 癌源細胞 / 組織幹細胞 / 原発性肝癌 / 表面マーカー / 分化 / マイクロRNA |
Research Abstract |
難治性癌の一つである原発性肝癌のなかには我々が以前より報告しているように肝幹細胞/前駆細胞(組織幹細胞)を起源とするものの存在が示唆されている。近年提唱されたcancer stem cell theoryでは、癌細胞は癌源細胞(tumor-initiating cells)を頂点とする階層性を示すが、癌源細胞の起源として既存の組織幹細胞からの形質転換が有力視されている。一方、肝組織幹細胞は単一ではなく、compartmentを形成しているため、そこから発生した原発性肝癌源細胞も単一でないことが予想され、それが現在、肝癌源細胞の表面マーカーとして報告されている分子が複数あることに反映されている可能性があり、さらに、これが臨床的なheterogeneityに関連していると考えられる。そこで現在すでに報告されている肝細胞癌源細胞の表面マーカーであるCD133、CD44、CD90、CD45,EpCAMにつき同一症例に対して横断的に解析をすすめている。現在まで60例の肝細胞癌に対して免疫染色法を用いて解析をすすめているが、それぞれ発現頻度に大きな差が認められ、それらをグループ分けしつつ、臨床病理学的所見との関連を検討中である。また、real-timePCR法でもそのmRNAの発現状況を検討している。 一方、肝内胆管癌に関しては、その癌源細胞から通常みられる癌細胞への分化という視点からNotch2の発現状況を免疫組織学的に検討し、56%の症例に発現していることを見出した。さらにこれらの症例はc-Kit陽性症例と関連があり、癌源細胞が発癌起源細胞とする考えに合致するものと考えられた。また、その予後にも違いがあることが判明し、臨床的なheterogenietyとの関連も示唆された。
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Research Products
(3 results)