2010 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織由来幹細胞による肝再生調節機構の解明に関する研究
Project/Area Number |
22591506
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森根 裕二 徳島大学, 病院, 助教 (60398021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 光生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10216070)
宇都宮 徹 徳島大学, 病院, 講師 (30304801)
居村 暁 徳島大学, 病院, 助教 (90380021)
池本 哲也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (20398019)
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Keywords | 肝不全 / 幹細胞 / 肝再生制御因子 / 肝切除 / 肝移植 |
Research Abstract |
背景・目的)肝切除術や肝移植における術後肝不全の克服に対し肝再生制御因子のコントロールによる再生制御が研究されてきたが、絶対的肝細胞不足を改善するまでには至っていない。本研究では脂肪組織由来粗疾患細胞(AT-MSC)が肝再生過程における肝・類洞・胆管細胞などの細胞源(多分化能)となり、肝再生調節機構としての幹細胞の役割について検討する。方法・結果)1.サイトリ・セラピューティクス社のCelution System^【○!R】により、ヒト皮下脂肪組織からADRCを抽出し、ADRCの肝細胞分化能をin vitro、in vivoで検討。2.マウス肝細胞(1.0×10^5 cells/well)を、ADRC(1.0×10^5 censl well)と細胞接触がない状態で共培養し、肝細胞のviability及び培養液中のサイトカインを経時的に追跡し肝細胞単独培養群と比較。3.balb/c nu-nuマウスに70%Hx施行後、heparin併用下にADRC(1.0×10^5 cells)を経静脈的に投与し、24hr後の肝傷害度及びIVIS^【○!R】を用いたADRCの体内動向を評価。 結果)1.ADRCをActivin A、HGF、FGF等を含む培地にて培養、約4週間で肝細胞様の形態を呈した細胞へ分化。balb/c nu-nuマウスに70%Hx施行後、ADRC(1.5×10^6個)を脾注し、術後4週間の残肝の免疫組織学的染色にて、抗HLA-1抗体友び抗human albumin抗体陽性細胞を認めた。2.肝細胞のviabilityは共培養群で有意に良好であり(肝細胞単独群vs ADRCs共培養群1.1±0.2% vs 16.6±2.1% in day7)、また、培養液中のVEGFが共培養群で有意に上昇していた。3.balb/c nu-nuマウスに70%Hx施行後24hrの肝機能はheparinのみ投与した群と比較して有意に改善しており(heparin投与群vs heparin+ADRC投与群血清GPT 848±75 vs 615±82)、さらにADRCは再生肝へ強く集積していた。今後の予定)再生肝へ集積している幹細胞の分化形態・機能解析。90%肝切除モデルによる肝不全改善効果(生存率の改善)。
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Research Products
(5 results)