2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクスを用いた化学療法Naive患者の肝予備能障害メカニズムの解析
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22591509
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中野 浩 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10241035)
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Keywords | 化学療法関連肝障害 / ジヌソイド閉塞症候群 / Peroxiredoxin 6 / オキザリプラチン / Aldehyde dehydrogenase |
Research Abstract |
我々は、本研究年度において、再発・進行大腸癌患者で、オキザリプラチンを含む抗がん剤治療を施行した患者を対象に、化学療法前の採血、化学療法開始12週の採血を行い、これらの検体を用いて、プロテオミクス解析を施行した。 2次元電気泳動後のプロテオミクスLC/MS/MS解析では、Peroxiredoxin 6、Aldehyde dehydrogenase 2、α-methylacetyl-CoA racemase、Protein disulfide-isomerase A3など、合計31個の蛋白に有意な変化を認めた。 これら31個の変動タンパクのうち、Peroxiredoxin 6、Aldehyde dehydrogenase2、α-methylacetyl-CoA racemaseが、oxaliplatin投与後に顕著に減少していることが、Mascot解析にて証明された。 また、基礎研究にて、ジヌソイド内皮保護作用を有すると考えられるsphingosine 1 phosphate(S1P)を投与したジヌソイド内皮細胞とS1Pを投与しなかったジヌソイイド細胞と比較したところ、S1Pの投与によりPeroxiredoxin 6の減少が有意に抑制されることが示された。 また、ジヌソイド内皮細胞の形態学的にも、oxaliplatin投与によるジヌソイド内皮細胞障害が、S1Pの投与により有意に改善されることが示され、今後の、オキザリプラチンに関連したジヌソイド内皮細胞障害の治療に関する臨床応用への一歩と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成23年度において、当初の計画では、chemotherapy naive patientの原因究明と治療法の開発まで研究が進行する予定であったが、治療法開発までには至っておらず、これは、プロテオミクス解析の結果を得るまでにかなりの時間を要するためである。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、chemotherapy naive patientの、採血検体のプロテオミクス解析が終了している。平成24年度は、chemotherapy naive patientの肝切除検体のプロテオミクス解析を実施して、chemotherapy naiveの原因タンパク解析を行っていく。
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