2010 Fiscal Year Annual Research Report
耐性機序を克服する新規抗癌剤ニュージェムシタビンの開発
Project/Area Number |
22591512
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
砂村 眞琴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (10201584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 明 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40249983)
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Keywords | 膵癌 / 薬剤耐性 / ジェムシタビン / 新規抗癌剤 |
Research Abstract |
Gemcitabine(GEM)の使用により膵癌の治療成績は改善したが、なかなか長期生存には至らず、生存期間の延長の域を出ないのが現状である。膵癌細胞株や膵癌組織を用いたゲノム解析、プロテオミクス解析などからGEMの薬剤耐性機序が解明されつつあり、治療効果の予測などが次第に可能となってきた。本研究では、2010年度には、抗癌剤耐性機構の理解のため、3株の異なるGEM感受性(感受性が比較的高いもの、中等度のもの、比較的低いもの)の膵癌細胞株を親株として用い、いずれの細胞株からもGEM耐性の細胞株を樹立できた。並行して10種類の異なるシスプラチン(CDDP)感受性の頭頚部扁平上皮癌(HNSCC)細胞株を親株としてCDDP耐性の細胞株を樹立できたが、さらに発現アレイ、マイクロRNAアレイ解析と遺伝子導入、ノックダウン等を行い、IGF2遺伝子の高発現がCDDP耐性の原因となる場合があることを明らかにした。また、膵癌では発現アレイ、マイクロRNAアレイ、質量分析解析を行い、細胞内外のGEMとその代謝産物の濃度を調べたところ、耐性機構が複数あることが判明した。機序の重要な一つはトランスポーターの発現であるが、代謝にかかわる分子の発現が重要であることも判明した。耐性機構打破に向けたニューGEMのプロジェクトでは、候補薬物の開発を進めており、有効性の判定を行い、候補分子の絞り込み作業を進めているところである。
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Research Products
(6 results)