2012 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌における内分泌系転写因子の発現意義と癌幹細胞との関係
Project/Area Number |
22591519
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 浩志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00572554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永野 浩昭 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10294050)
山田 大作 大阪大学, 医学部附属病院, その他 (60571396)
江口 英利 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90542118)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 膵癌 / 癌幹細胞 / 膵内分泌腫瘍 / 転写因子 / Progenitor gene |
Research Abstract |
膵癌における膵内分泌系progenitor gene (Pdx1, Ngn3, NeuroD1, MafAなど)の発現意義検討するために,浸潤性膵管癌48例において,Pdx1の発現を切除標本パラフィン包埋切片を用いて免疫組織化学染色法にて検討した結果,Pdx1は,膵癌細胞の核内に局在して発現しており,48例中45例(94%)が陽性であった。核内染色の程度では,強発現16例(33%),弱発現29例(60%)であったことから,強発現の16例をPdx1陽性として臨床病理学的因子について比較検討した結果,術前治療を施行した27例では,Pdx1陽性9例は, T1-2が6例,T3-4が3例であり,陰性群と比較して有意にT1-2が多かった(p=0.006)。治療前の腫瘍因子は,27例全例がT3-4であったことから,Pdx1陽性例では,放射線化学療法に感受性を示して腫瘍縮小効果が得られた可能性があると考えられる。本年度は,これらの切除標本を用いて,癌幹細胞マーカーであるCD24とCD44の発現を検討したところ,放射線化学療法を施行した症例の中で術後早期に再発を来たした症例では,CD44陽性を示す膵癌細胞が多く存在しており,癌幹細胞の遺残が再発に関与している可能性が示唆された。これらの結果から,Pdx-1発現は,放射線化学療法の抗腫瘍効果を高める因子であり,また癌幹細胞の遺残が,根治治療後の再発に関与していると考えられるため,癌幹細胞に対して,Pdx-1等の膵内分泌系転写因子を導入することで,新たな膵癌治療へと発展する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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