2011 Fiscal Year Annual Research Report
肝門部胆管癌に対する吸収性スペーサーを用いた手術と粒子線による2段階治療
Project/Area Number |
22591521
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
福本 巧 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (70379402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 信也 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (10379406)
具 英成 神戸大学, 医学研究科, 教授 (40195615)
味木 徹夫 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (80379403)
木戸 正浩 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (00403246)
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Keywords | 肝門部胆 / 粒子線治療 / スペーサー |
Research Abstract |
粒子線は、従来のX線などに比較し、癌の部分でのみエネルギーが吸収されるように線量をコントロールする事が可能で癌治療に最適な放射線とされている。しかし、肝門部胆管癌のような腹部悪性腫瘍の治療では近接した消化管の障害が大きな問題となり適応は限定的であった。我々はこのような優れた粒子線を胆管癌の治療に応用するためスペーサー手術と粒子線による2段階治療を考案した。2段階治療では、第1治療として手術的にスペーサーを腫瘍と腸管の間に挿入し、第2治療として粒子線照射を行う。2006年9月からゴアテックスシートをスペーサーとして臨床開始したが肝門部のような複雑な形状の部位にはゴアテックスシートの留置は困難なことが判明した。また非吸収性物質を腹腔内に留置することの影響や粒子線遮薮力の不足等の問題が明らかとなった。そのため我々は医療機器メーカーと共同で吸収性の新規スペーサーを開発した。この新規スペーサーは吸収糸を不織布状に加工した物で適度な弾性をもち、十分に含水するために粒子線を高率に遮蔽可能で、2段階治療に用いるスペーサーに必要な全ての条件を備えている。今年度はこのスペーサーの吸収および毒性試験を大動物を用いて実施し、さらにマウスを用いた粒子線の照射実験が開始できた。現在、臨床試験の開始時期に関して医療機器メーカーと協議を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規スペーサーの開発が順調にすすみ、照射実験もデーターが蓄積されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
現在新規開発したスペーサーの臨床試験に向けて関連企業と経済性などの検討に入っているところである。臨床試験には大型の研究費の獲得が必要と考えている。
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